あらすじ
商売人として生きていこうと思っていたのに、ある日突然嫁ぐことになった武芸と商才に秀でている子爵令嬢バイレッタ。
どうしても嫁ぎたくないバイレッタは「こうなったらお相手に直談判しよう！」と思うも、夫が戦場へ出立していて不在だと聞かされる。
夫がいない……？むしろそれは好都合だ。夫に縛られることもないし、もし夫が戦場から戻って来ることがあれば、その時に逃げればいい。。
そう思ったバイレッタは夫不在の婚家で暮らすことに。
嫁いだ日にこらしめた義父とはすっかり剣のライバルのようになり、慕ってくれるかわいい義妹もいる…こんな結婚生活なら悪くないと思っていたバイレッタだったが、ついに終戦を迎え夫が帰ってくることに！
そこでバイレッタは夫に離縁状を送るが……
まだ見ぬ妻から挑発的な手紙を送られ、少しだけバイレッタに興味を持った夫アナルド。
「どんな女なのか」とバイレッタの情報を集めたアナルドだったが、バイレッタがとんでもない悪女だと知ってしまう。
そこで、アナルドは離婚を望むバイレッタに、アナルドは一ヶ月を期限としたとんでもない“賭け”を持ちかける……！？
感想
バレッタの悪い噂を鵜呑みにしたアナルドが、バイレッタにとんでもない賭けを持ちかけて、屈辱を与えるためだけに初夜を迎えるところからスタート。
だけど、その初夜でバイレッタに疑問を抱き、妻を観察することに。冷酷で最低な男だと思っていたけど、処女だと気付いた時の「え？」という反応や罪悪感を抱くアナルドが意外すぎて面白かったです。
バイレッタは頭も良く、剣の腕もたつ容姿端麗女性。みんなに好かれる素晴らしい女性で、そんなバイレッタに少しづつ惹かれていくアナルドの様子にはドキドキさせられました。
ただ、お互い初恋だからなのか素直じゃないからなのか、けっこうすれ違う！！そこがまた良い焦れ焦れだったし、感情が表に出ないアナルドがアナルドなりにバイレッタに溺れているところも。
バイレッタとアナルドの恋愛がメインだけど、ミステリー要素やバイレッタに歪んだ恋心を持っている男の登場もあったりして、ハラハラドキドキしながら一気に読んでしまいました！本当に面白い（始まりは最低だけど）。
ちなみに、個人的には義父とバイレッタの辛辣な掛け合い（ある意味仲良し）がツボでした。
