【ネタバレ感想】「死にかけ悪役令嬢の失踪~改心しても無駄だったので初恋の人がさらってくれました~」は想像よりもずっと、重くて深いストーリーだった。

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あらすじ

主人公である義妹と義母をいじめた末に、不幸な結末を迎える悪役令嬢に転生したシレ―ナ。


「不幸になんかなりたくない」と努力したこともあり、義妹と義母との関係は良好で、シレ―ナ自身も心から家族を愛するようになっていた。


そんな幸せな日々が続き、もはや不幸な結末などないように思えたが、それはある日突然終わってしまう。


婚約者であるラティル王子が「アンジュ(義妹)が好きだから」と婚約破棄を口にしたのだ。


信じていた二人からの提案に傷つくも、もともとラティル王子に恋愛感情がなかったシレーナは、アンジュとラティル王子を祝福。しかし、シレーナを襲った不幸はこれだけではなかった。


アンジュとラティルの婚約を正当なものにするために、義母から「離島の別荘にしばらく滞在してほしい」と言われたのだ。


それを了承したシレーナは、義母の移動魔法陣で離島の別荘に送られることに……なるはずだったが、到着したのはシレーナが唯一恐れている“魔物島”で…!



感想

思ってた以上に奥が深いストーリーだと思いました。


シレーナを頼ることが当たり前になっていた家族と、その尻拭いをすることが当たり前だったシレーナ。それが両者とも無自覚だという歪な家族でした。


この作品は、家族という呪縛から解放される?自分で気付けるようになるまでのストーリーなんですが、そこにいきつくまでには色々あって。


そんなシレーナを支えてくれたのが初恋の人フォード先生。誰よりも早くシレーナの状況に気付き、シレーナを温かく見守りながらも置かれていた状況について助言してきた彼の深い愛情。


フォード先生のおかげで、シレーナ自身が無意識に抱えていた問題に気付くことができたし、救ってくれたのが彼だったから生きがいも見つけられた。前世の記憶が生きがいにつながるって素敵だなと思いました。


この作品のテーマになっていた問題は、現実でもあるんじゃないかな(悪意がなく他人から無自覚に搾取する人とされる人)。でもそれを解決するためには、自分自身が気付かなくちゃいけない。その過程が想像していたよりも、重くて深いストーリーでした。