【ネタバレ感想】強制力から解放された「愛されない王妃は、お飾りでいたい」笑って泣けるラブコメディ。

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あらすじ

ロマンス小説の世界に、悪役令嬢として転生してしまったクロア。悪役にならないよう奮闘するも、物語の強制力により何をしても小説の展開どおりになってしまう。


結局婚約破棄され、敵対していた隣国の王に嫁がされることに。さらにその夫からも「君を愛することは、ない」と冷たく言い放たれる。


が――その一言、待ってました! その台詞でもって小説は完結。クロアは強制力から解放されたのだ。自分の人生を歩めるようになった彼女は、お忍びで街に繰り出し、大食いにチャレンジしたり、街の子供たちと遊んだりと日々を満喫!


一方、夫・クリフォードは、そんなクロアに唖然としつつも、徐々に惹かれていって……



感想

小説のエンディングを迎えて、ようやく強制力から解放されたクロアは「やっと自由だ!イエーイ!」と自分の人生を満喫することに。


大食いにチャンレンジしたり、泥だらけで孤児たちと遊んだり、子供たちに「悪役なのに凄みが足りない」と指摘されて厳しい道場で剣術修行をしたり。


クリフォードはそんなクロアの様子を、自分が監視させていた影から報告されるんですが、影とクリフォードの会話が面白かった!クリフォードの反応にも笑ったけど、何よりも休憩時間に貪欲な影がなかなか良い性格してる(のちにクロアのファンとなった影はクロアの大食い仲間になる)笑


そんな感じで、クリフォードは聞いていた話とまったく違うクロアに惹かれていくんですが(こちらにも強制力があった)…もし、クロアとクリフォードだけの物語だったらラブコメで終わっていたと思うけど、まさかのかなり切ない展開もあって。


それは、本当は愛していたのに、強制力によってクロアを手放してしまったクロアの元婚約者である王太子とのエピソード。彼の後悔も、もうどうすることもできない状況も読んでいて辛かった。こんなにも切ない展開があるなんて。


基本的には笑えるラブコメでしたが、切なさもあって絶妙なバランスの作品でした。