あらすじ
幼い頃、体型のことで陰口を言われ卑屈だった子爵令嬢クロエは、美しい伯爵令嬢ソフィアの悪魔のような言葉に魅了される。
それ以来、クロエは恩人であるソフィアの取り巻きとなり、ソフィアと楽しい学園生活を送っていたのだが
なんと、ソフィアが婚約者の裏切りにより窮地に立たされてしまった!
クロエはソフィアを救うため、ソフィアの虚弱で曲者な兄オースティンとあれこれ画策するが…!?
感想
クロエとソフィアでは身分が違うし、クロエはソフィアの取り巻きだから「イエスマン」なのかと思いきや、ダメなことはちゃんと注意して、ソフィアを良い方向に導き…ソフィアもソフィアでクロエの意見に怒ることなく受け入れる…この二人の信頼関係がすごく良かったです。
登場シーンのソフィアがかなり傲慢で高飛車だったから「人の意見をちゃんと聞くんだ、意外」と思ったけど、読み進めていくと心根が本当に優しくて良い子。ソフィアを守りたいと願った兄オースティン(自分が死ぬかもしれないから)の教育が間違った感じになっちゃっただけで笑
そんな間違った教育をしてしまった「妹を溺愛している虚弱体質の腹黒オースティン」。
他には見せない本性をクロエの前だけでは出すのですが、クロエも全然負けてなくて「他人は青ざめるであろう辛辣な本音のやり取り」に笑ってしまいました。
だけど、この二人の絆も固く、オースティン目線を読むとクロエにはいろいろ感謝しているようで。
対等じゃないようで対等な三人の関係…三人が三人とも自分のためではなく誰かのために動いていて温かい気持ちになりました。
クロエとオースティンはソフィアを救うことができるのか…だけではなく、その過程にある三人の絆を楽しめる作品です。
そして、オースティンとクロエの恋の行方も。辛辣なやり取りばっかりだったから(でもそこに信頼を感じる)、すごくキュンとしました!