
「悪役令嬢ですが、幸せになってみせますわ! アンソロジーコミック 2」に収録されている作品の一つ
「悪役令嬢は無邪気に笑う。」。
この作品、アンソロジー作品の中で群を抜いてるストーリーだと思います。
主人公である悪役令嬢が断罪されるのはお決まり。だけど、そのあとの展開に驚きの連続でした。こんな作品読んだことない!!
ストーリーは、婚約者である殿下と生徒会から
公爵令嬢ティアが糾弾されるところから始まります。
ティアの罪とは、男爵令嬢・ソフィアを害したというもの。
もちろん、そんなことあるわけもなく証拠もない。
ティアは冷静に笑顔で正論をぶつけます。
そして、ある言葉を残してティアは去るわけですが
ここからが今まで見たことの’ない展開。
あれほど「ソフィアを愛している。ティアとは婚約破棄する!」と言っていた殿下が
帝国皇帝・アルジャーノンに嫁ぐために
自ら婚約破棄した(陛下も承諾済み)ティアに怒りをあらわにするのです。
「なぜ婚約破棄するんだ!」
と。婚約破棄をしたいと言っていた人がなぜ?という感じですが
それは、ティアが最後に残した言葉にも関係しているのですが
とても利己的で浅はかな考えのもと。
しかし、この作品はこれで終わりではありません。
なんと、殿下が愛したソフィアが豹変。
すっごい顔してティアと殿下の前に現れます。
ソフィアの目的はただ一つ。
それを「ティアが奪った!返せ、泥棒女!」と罵倒するわけですが
殿下は愛するソフィアから「お前は単なる道具だ」とまで言われて
ソフィアもまさかの処刑になるという結末。
短編なのに、短編を感じさせない作品でした!
ぜひぜひ長編でやってほしい。