あらすじ
もしも人間に生まれ変わって、孤独の貴方を救えるとしたら……
ラディウス王子の愛馬であるルカニアは、襲撃事件により命を落としてしまう。
「ブライトネスの日までに、絶望の淵に立つ彼を光に導いてあげてーー」
人間の姿に生まれ変わったルカニアはラディウス王子のもとへ向かうが、今も自分を探し続け周囲からの優しさを拒んでいた。
「あなたを笑顔にしてみせるから」たとえ、その未来に私がいないとしても……。
限りある時の中で、ルカニアは馬だった過去を隠し、ラディウス王子を救うために奮闘していく、優しく切ない物語。
感想
人間に生まれ変わったルカニア(ラディウスの愛馬)が、大好きなラディウスに寄り添い悲しみのどん底にある彼を立ち直らせていくという物語。
互いを大事に想うルカニアとラディウスの絆や、フラーとラディウスの関係、フラーの葛藤、そしてルカの“元馬だからこそ”の能力や素直さ、純粋さ…物語の始まりからジーンとくるものがあって、ウルっとしてしまいました。
すごく優しくて素敵な物語。こんなにも良い作品があったとは…。
だからこそ、「この奇跡は永遠ではない」「約束の日まで…」というワードが辛い。
ルカは、限りある時間で「人」と「馬」への態度に違いがあるラディウスを立ち直らせることができるのか、紋章によってラディウスはルカがルカニアであることに気付くのか…
二人の今後が気になるので、読み続けようと思います。できれば、悲しい結末ではないといいけど…。