【ネタバレ感想】勘違いで始まる笑って泣ける「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」

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あらすじ

明るく社交的で可憐な姉アナスタジアとは違い、ずたぼろの恰好で両親から召使のように働かされている男爵令嬢マリー。


そんなある日、女嫌いで気難しいと言われているグラナド伯爵と出会う。


彼と楽しいひと時を過ごすマリーだったが、グラナド伯爵が求婚したのは姉アナスタジアだった。


しかし、グラナド伯爵に嫁ぐはずだった姉アナスタジアは道中で事故死してしまう。


姉の死を悲しむ間もなく「困窮した我が家を救うために、お前が代わりに嫁げ」と命じられたマリー。


父に言われるまま、グラナド城へ行くが、そこで聞いたのは


「ふざけるな!妹のマリー・シャンデランを追い返せ!」というグラナド伯爵の怒号だった。


伯爵様が望むのはアナスタジアただ一人。それなのに、あっという間にグラナド伯爵の婚約者になってしまう。


しかも、なぜか分からないけど、グラナド伯爵はとても優しくて…。



感想

マリーに恋をしたのに、勘違いでアナスタジアに求婚してしまったキュロス伯爵と、虐げられて育てられたため自分に自信が持てないマリーの恋の物語です。


虐待されていたのに、それさえも気付くことができずにいたマリー。自分に自信が持てなかったマリーがキュロス伯爵やグラナド城の人たちの優しさに触れて、少しづつ自信を持てるようになる姿にウルっときました(可哀想なくらいマリーの自己肯定感が低かったので余計に)。


また、物語が進むにつれて、姉アナスタジアの死の真相や父親が犯していた罪(虐待ではなく)、母の過去や執着などが明らかになっていきますが、予想していたようなスカッとする断罪とかではなく納得のいくもの。


再会したマリーとアナスタジアが両親の罪(虐待ではなく)や両親と向き合う姿には切なくも強くなったな…と感動しました。


マリーやアナスタジアの背景はシリアスですが、ところどころにコメディ要素もあって笑えるところもあり。ミステリー要素もあって物語に引き込まれる作品でした。