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あらすじ
「もう妻には欲情しないんだよ。隣で寝てもなんの反応もしない」夫が勤める王宮騎士団の執務室の前で、アシュリーは夫の本音を聞いた。
結婚五年。初恋を実らせ愛し合って結ばれた二人には子供がいない。できるわけがない。夫は浮気三昧で、もう何年もアシュリーを抱いていないのだから。
傷ついたアシュリーは、親友の女公爵セイラの手引きで家を出て、辺境で看護師として就職する。辺境で出会った仲間たちに、やりがいのある仕事。アシュリーは心の傷を癒し、生きる力を取り戻していく。
――私に触れない貴方は、もう要らない。自分の力で幸せになってやるんだから!
感想
ざまぁ系かと思ったら、良い意味で読者を裏切る作品で、後半は感動と切なさで涙、涙でした。
愛し愛されていると思っていたはずが、夫の本音に深く傷ついたアシュリー。
離婚後、辛い気持ちを抱えながらも「幸せは自分で掴む」と前向きに頑張るアシュリーに応援する気持ちで読みました。
それでも、やっぱり「誰かを愛すること」には臆病になってしまって。
そんなアシュリーを大きな愛で包み込むカイゼンですが、こちらもにまた深い大きな傷が心に(アシュリーとは違う)。
そんな辛いエピソードがある二人だから、困難を乗り越えて前に進む姿や、それを応援するキャラクターたちに感動しました。
アシュリーとカイゼンが結婚するまでには、かなりの時間がかかったけど、ようやく結婚して子供が産まれて、ハッピーエンド……だったらよかったのにな。
覚悟を決めていたとはいえ、後半は涙、涙。悲しい。カイゼンの手紙には号泣でした。