あらすじ
12歳の時に過去視の魔術を習得し、前世の記憶を見た魔女ソニア。
ここが“あにめ”の世界で、自分が悪しき魔女として殺される運命だと知ったソニアは
“あにめ”で描かれていた悪行に関わらないように生きていた。
しかし、“あにめ”の主人公エミルダが語る予知によって王子から婚約破棄されることに。
もともと、破滅へのきっかけである王子などに興味がなかったソニアは
狙い通りと言わんばかりに、代償として前世からお気に入りだった騎士・ヴィルを従者として手に入れることに成功する。
そう、ソニアの願いは前世からのお気に入り騎士・ヴィルと故郷で平穏に暮らすことだったのだ。
しかし、ソニアを憎んでいるうえに“あにめ”の主人公エメルダに恋をしているヴィルは反抗ばかりで…!?
感想
気軽に読めるものかと思いきや、かなり重めの作品です。
登場人物たちにはそれぞれ抱えているものがあって、人が研究材料にされたり呪いもあったり復讐もあったり。
そんなサスペンス要素もありながら、ミステリー要素もたっぷりで読み応えがありました。
読み進めていくたびに、じわじわと明らかになる謎……明らかになるたびに続きが気になって気になって。
そんな読みたい欲を刺激するような作品ですが、恋愛面も面白かった!!
過去に起きた魔女による王都襲撃により、ソニアが憎くて憎くてたまらないヴィルは、ソニアに反抗ばかり。
そんなヴィルの暴言も軽くスルーする二人のやり取りも、それはそれで「新しいものを見た」という感じで好きだったんですが
やっぱり真実が明らかになったあとのヴィルとソニアが一番好き。最初を知っているからこそ、余計に二人の距離にキュンとしました。