7歳の時から神の生贄として閉じ込められていた珠。
次第に感情を失っていった珠は、自分にも興味が持てず
ただただ器として、その時(生贄として捧げられる儀式)を待つばかりでした。
しかし、儀式の前日…珠に語りかける声が聞こえてきたのです。
「妾が守ってやるからの。幸せにおなり」
目を覚ますと、なんと神と崇められてきた大蛇の遺骸と大切にしていた珠の櫛が。
こうして、生贄ではなくなった珠ですが
神がいなくなった村には厄災がふりかかり、両親からは恨み視線をあびるようになってしまいます。
もうここには私を必要としている人はいない…そう思った珠は、家を出て帝都に行くことに。
しかし、ある力のせいで珠はすぐに仕事を解雇されてしまうのでした。
そんなある日、珠は美しい男性と出会い……
という始まりです。
出会った美しい男性・銀市が営む「銀古」で働くことになった珠。
そこは、妖怪の仕事の斡旋もしているお店なのですが…
悲しいくらいに珠は「誰かの役に立つことだけ」が自分の存在意義のよう。
選択肢は常に他人で自分で選ぶこともできず、嬉しいとか楽しいという感情をうまく伝えることもできない…
そんな珠の感情を知っていく姿には、ウルッときてしまいました。
それほど、本当に素敵な作品です。
では、前置きが長くなりましたがあらすじと感想を書いていきますね。
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あらすじ
ある寒い冬の夜。帝都に放り出された小柄な少女・珠の窮地を救ったのは、不思議な髪色をした男・銀市だった。
口入れ屋「銀古」の旦那である銀市の厚意で、珠は住み込みで働くことに。
特殊な体質に起因する過去により、上手く感情を表せない珠だったが、銀古で銀市や“隣人たち”と平穏な日常を過ごすうちに、変化が生まれていく――…。
妖しくもあたたかい帝都浪漫綺譚、開幕。
感想
時には命を狙われたり、巻き込まれたり…ハラハラするシーンもありますが
切なくて、温かい作品です。
感情を知らない珠が、嬉しいや楽しい、悲しいなどを知っていき…ついに少し芽生えた恋心!
これで、銀市さんとの恋が発展しちゃう!?と思いきや
銀市さんもいろいろなものを抱えているのです。
二人の答えが正反対なところが切ない…。
銀市と珠には本当に幸せになってほしい!と思わずにはいられない作品でした。