青田の一件があり、4歳のコタローが一人暮らしをしている本当の理由が分かります。
まだ4歳ですから、前の施設にいられなくなったって別の施設に行く方法もあったと思います。
でも、そこにはコタローの強い想いがありました。
それは…
何でも一人でできるようにな強さがほしい――…
自分が強かったら、お父さんは“悪者”になんてならないで済んだのだから。
そして、強くなれたら…もう一度お父さんとお母さんと3人で暮らせると。
3人で暮らせるようになることがコタローの希望になっています。
でも、お母さんはすでにこの世には…。
弁護士の小林さんから毎月受け取るお金が、お母さんの保険金だと知った時…真実を知ってしまった時…コタローは…。
言葉も出ませんね。では、もう少し詳しく書いていこうと思います。
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あらすじ
父親(コタローの)からの依頼でコタローの居場所を調べていた探偵「青田」。
この青田の一件により、コタローが一人暮らしをしている本当の理由がわかります。
それは「強くなるため」。
「自分が強かったら、父親が悪者になることはなかった」
「だから、自分が強くなれば…また優しかった時のお父さんと暮らせるはずだ」
と…そう思っているのです。
一人暮らしをしている意味もそう。
一人で何でもこなすことができたら、強くなれると…。
それを聞いた狩野はコタローに
「一緒に強くなろう」
と伝えます。
強くなることで父親とのことが解決するわけではない…狩野だってそんなことは分かっていました。
だから、狩野はこう考えたのです。
「体と…あと心が強くなってほしいんです。その現実を乗り越えられるように」
狩野が言う強さはコタローの強さとはまた違い、コタローが現実を知ってしまった時に耐えられる心。
コタローの間違いを正すのではなくて、間違いに気付くまで寄り添い支えることにしたのです。
そんなある日、コタローは育児放棄をされた子供たちに出会い――…。(引用元:津村マミ「コタローは一人暮らし」より)
ネタバレ感想
各エピソードで、コタローのことが少しずつ明らかになっていきます。
どの話も切ないんですが…その中でも特に泣ける話が。
それは、コタローが開いたコレクション展の話なんですが…
そのコレクションの一つに
「ははうえがつかってたビニールてぶくろ」
というものがありました。
これが何を意味するのか分かりますか?
コタローのお母さんは、手袋をしなければコタローに触れることができなかったということです。
普通なら辛い記憶ですが、コタローにとっては忘れたくない母親との大事な思い出。
これ(手袋)があれば、お母さんがいつ帰ってきても大丈夫と呟くコタローの後ろ姿に…涙でした。