「愛してなんかいない!違う。違うの」魔法使いの嫁5巻 ネタバレあらすじ&感想

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若い男に憑き、男の血と引き換えに才能を与える吸血鬼「リャナン・シー」。

 

しかし、彼女が憑いた男は老人だったのです(老人にはリャナン・シーの姿は見えません)。

 

それは白昼夢の淡い恋…。

 

リャナン・シーは血を吸うことなく、彼の側に寄り添っているんですが

 

彼の命はもう…。

 

5巻はそんな悲しい恋の話。ではあらすじと感想を書いていきます(ネタバレあり)

 

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あらすじ

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きれいなバラが咲きほこる一軒屋。

 

チセがバラに目を奪われていると、庭の手入れしていた老人「ジョエル」に声をかけられます。

 

「おや こんにちは…見ない顔だね」

 

チセが男性に気付き、挨拶をすると男性の肩には…

 

なんと美しいリャナン・シーの姿が(もちろん男性には見えていません)。

 

リャナン・シーとは若い男に憑き、男の血と引き換えに才能を与える吸血鬼。

 

何故、老人であるジョエルに憑いているのか――…。

 

その後、ジョエルに誘われ一緒にお茶をすることになったチセは、ジョエルからの頼みで彼が書いた小説を読むことになります。

 

ジョエルの書いた小説――…それは恋の話でした。

 

バラの庭で出会ったふたりのなんてことない恋の話…。

 

チセが読み終わり、ジョエルの方を向くとジョエルは眠ってしまっていました。

 

すると、リャナン・シーがチセに

 

「いいお話だってでしょう?ジョエルの文は」

 

と声をかけてきます。

 

「…うん。でも…別に貴方が才能をあげてるわけじゃないような気がしたけど――どうして憑いてるの?血も吸ってなさそうだし」

 

リャナン・シーがジョエルに憑いてる理由――…それは、バラが咲きほこる庭での白昼夢で――…。

 

数日後、チセが眠っていると突然、リャナン・シーがやってきます。

 

「チセ !ジョエルをたすけて」

 

切羽つまったリャナン・シーの表情に、ジョエルの元へと駆け出すチセ。

 

ドアを開け、急いでジョエルに駆け寄りますが…

 

(この間 話をした時より顔がずっと白い…)

 

死が刻々と迫るジョエル…。

 

チセが二人のためにできること――…それは―…。(引用元:ヤマザキコレ「魔法使いの嫁」より)

 

 

感想

このジョエルとリャナン・シーの話がすごく好きです。

 

あらすじにも書きましたが、リャナン・シーの生き方は男に憑き、その男の血と引き換えに才能を与える(つまり食料)というもの。

 

です

 

が、ここに登場するリャナン・シーは一滴も血を吸っていません。

 

それは、愛していたからなんですがリャナン・シーは認めるわけにはいかなかったのです。

 

それは相手が人間だから…なのではなく、生き方を貫かなくてはいけなくなってしまうから。

 

ジョエルの命があとわずかなのを知ったリャナン・シーの

 

「…愛してない。違う。あたしはあれを愛してなんかいない……違う。違う。違う。違うのよ!!」

 

という涙を流しながらの悲痛な叫び…切ない。

 

チセはそんなリャナン・シーとジョエルのために尽力するのですが、そのおかげで美しい別れを迎えることになります。