帰ってこない母をずっと待ち続け…そして、母と父(離婚している)とまた3人で仲良く暮らすことを夢みているコタロー。
そんなコタローは現在、アパートで一人暮らしをしています。
優しい大人たちに見守られながら毎日を楽しく過ごしているんですが…
時おり見せるコタローの言動には胸が苦しくなります。
コタローの言動一つでコタローの過去に「何があったのか」を理解させてしまうのは漫画の力ですね。
今回も「……(何も言えなくなってしまう)」となってしまう描写が多く切なくなりました。
“ママを頑張りすぎたママの話”、夏休みの思い出を作りたい理由“、“迷子ジーメンをする本当の理由”…などなど。
いくつかのエピソードがありましたが、その中でも印象的だったのものを紹介しようと思います。
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あらすじ
夏休みの思い出が欲しい。その理由は…
夏休みになり、コタローは偶然道端で会った狩野の元彼女「あかね」に、
幼稚園のクラスの友達と同じくらいの思い出を作りたい…どうすればいいのかと相談します。
そんなコタローのためにあかねは、コタローと親しい人達に声をかけて回り遊びシフトを作るんですが…
実はコタローが思い出作りをしたい理由は、普通の人では想像のできないものでした。
1巻のあらすじから読んで下さっている方なら、こう思うかもしれません。
コタローの家庭は複雑だから、これまでに夏休みに思い出を作ったことがないからなんだろうって。
私もそう思っていました。
でも全然違った…もっともっと切ない理由でした。
実は、あかねは幼稚園から出てきた母と子の会話…
「コタローくんと夏休みの話したよっ。大丈夫だったよっ。」
という言葉を偶然にも聞いてしまい、コタローが何故思い出作りをしたかったのかということに気付いてしまいます。
本当の理由は…
クラスの子たちが自分のことを“かわいそう”と気を使われたくなかったから。
過去にそういうことがあったのです。
その時のあかねのコタローへの言葉がすごくよかった。
はっきりとした物言いをする人なので、励ましているわけじゃなく本音なんだろうけど…
「周りがいちいち気を使い過ぎなんだよね。めんどくさーい」
という台詞もあかねらしいなって思います。
迷子ジーメンをしているワケ。一日の最後のアナウンスに…号泣。
コタローはあるデパートで迷子の子を見つけては迷子センターに連れて行くという〝迷子ジーメン〟のお仕事?をしています
。
時には、間違えて迷子センターに連れて行ってしまうこともあるんですが、この話ではコタローの想いが
ある赤ちゃんを救うことになります。
実はその赤ちゃんは迷子ではなく…置き去りにされてしまった子。
赤ちゃんを残したまま、デパートを去ろうとした母親でしたが、コタローの想いに心を動かされて迷子センターにやって来るのです。
さて、そんなコタローですが、何故迷子ジーメンをやっていると思いますか。
一人になった子供を放っておけないから?自分のような思いをしてほしくないから?
まぁ、それもあるかもしれませんが、本当の目的はラストのワンシーンだけで分かります。
一日の最後のアナウンス…
「迷子センターからのお知らせです。身長98.7㎝、体重15.8kg、よく食べてよく遊んで――…」
そう、コタローは自分のお母さんに向けてのアナウンスをお願いしているのです。
どうか見つけてほしいと願いながら…。
このワンシーンのうしろ姿があまりにも切なくて号泣。
あー…いつか真実を知ってしまうんだろうけど、知ってほしくない…そんな気持ちでいっぱいです。
まとめ
今回は二つの話を書きましたが、他にも弁護士の小林さんとコタローの話で
優しい人への日記を書かなくなってしまった理由や
後ろで支えることについての話、ママ友の話…おふくろの味など、考えさせられる話がいっぱい描かれています。
特にママ友の話は頑張っているお母さんにぜひ読んで欲しい!!きっと元気がもらえると思いますよ。(引用元:津村マミ「コタローは1人暮らし」より)