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あらすじ
マリエーヌを悩ませるのは、冷徹無慈悲な夫・アレクシア公爵の変貌だ。
屋敷に閉じ込められた孤独な結婚生活だったのに、突然もう一度プロポーズされ、“僕の女神”と溺愛してきたのだ!
毎日のように宝石まみれの花束を贈られ、恋愛小説の胸キュンテクニックで口説かれ。
不器用で真っ直ぐな愛の言葉に、凍えた心が癒えていく。
だけど――こんなにも愛されている理由が分からない。
仮初の人格が現れたのか? 何がきっかけで、心を入れ替えたのか……?
感想
名前さえ呼ばず、空気のように扱ってきた妻をいきなり溺愛…!死に戻りにしても、一体何が?と思いつつ読みました。
アレクシアの溺愛っぷりは、もはやコメディで、間違った方向のフラワーアレンジメントや「神と髪」などに心の中でツッコむマリエーヌに笑い、アレクシアの従者であるジェイクの「初めまして、あなたは誰ですか?と言うべきか…?」に笑い。
だから油断していました。まさか、アレクシアが溺愛するようになった理由が、こんなにも切ないもので、こんなにも泣くことになるなんて。
一度目の人生でアレクシアの身に起こったこと…それにより、味わった絶望と屈辱。そんな中、唯一お世話をしてくれたマリエーヌの優しさに触れ、ようやく人としての感情を持てたのに、二人の最期が…。
高熱から目覚めたアレクシアが、マリエーヌの名を呼びながら探し続けたことや、見つけた時の涙……あ―…そういうことだったんだと。最初はコメディみたいな溺愛だなと思って笑ってたけど、その溺愛に隠されたアレクシアの想いに涙でした。