あらすじ
「神様、私はあと何度、この人生を繰り返すのでしょう」
嫁入りの前日、悪魔に八つ裂きにされて死に戻る男爵令嬢リディアは、累計100歳の誕生日を迎えた。
遊び人の婚約者から、政略結婚の道具として扱う父親から、そして悪魔から逃れるために、様々な手段――「王城引き籠もり作戦」、「聖騎士になる作戦」――でループ回避を試みた!
しかし、一度も運命が変わることはなく、リディアは5度目の人生でついに心が折れてしまう。
最期を思い出の花園で迎えようとしたら、花束を持った青年が現れて……!?
悪魔に人生を狂わされた不遇な令嬢の大逆転ラブファンタジー!
感想
ループ前の記憶を活かして回避する!という作品が多い中で、この作品は珍しく「ループをするたびに大切なことを忘れていく」という設定。
だから、「この庭で誰かに贈り物をした」という記憶はあっても、緑の目の彼に渡したということも、何を伝えられたのかも曖昧。そして、死ぬ瞬間に必ずいる緑の目の彼が誰なのかわからないという。
その反対に、緑の目の彼にはループ前の記憶がはっきりあって、リディアのために一途に努力を続けていて。
この二人の設定が切なさと感動を生んでいると思います。
何度ループしても必ず殺されてしまう人生に、さすがに心が折れたリディアでしたが、殺され続けてきた人生も無駄ではなかったと思わせる5度目の人生に涙でした!!
ちなみに、一度目の人生から4度目の人生で悪魔がリディアを殺す時に発する言葉があるんですが、4回目でようやく悪魔の正体が分かります。
なぜリディアが殺されるのか、個人的には「元婚約者のクズっぷりが人の命まで…!」と思いました。まぁ、元婚約者が悪魔と契約をして、殺すように指示したわけじゃないし、直接的には関わってないけど。でも、元婚約者のクズっぷりのせい。