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あらすじ
人の心の声が聞こえるという特殊な力を持つ貧乏貴族令嬢のアダリーズ。
ある時出会った公爵家の跡取りディートリヒは、眉目秀麗で完璧な男と社交界で人気だが――
「このまま寝室まで攫って押し倒してぇ……」
実はアダリーズへの愛をこじらせまくって、不埒すぎる思いで妄想を炸裂させていたのだ。
それを恋心とは気付かず、本心は体目当てとドン引きしたアダリーズ。しかし少しずつ彼の優しさに触れて心が揺れ始めて!?
感想
「人の心が聞こえるアダリーズ」と「見た目が紳士なのに心の声が、ゲスなディートリヒ」のダークなラブコメディ。
心の声が聞こえる作品って多いけど、ずば抜けて面白いストーリーだった!!
ディートリヒのゲスでエロい心の声(だんだん癖になる変態っぷり)から始まる物語だから、ゆるいラブコメディなんだろうなと読み始めたけど、良い意味で裏切られた。
前半はコメディ寄りだったけど、後半はまさかのシリアス展開で、ハラハラしたり切なくなったり。
いろいろな事情があって、ディートリヒとアダリーズが婚約破棄となったシーンには、涙でした。
アダリーズの心の成長や、ディートリヒの闇落ちと激しい独占欲、アダリーズがサトリになったきっかけ、などなどがストーリーをさらに面白くしていたと思います。
ちなみに、たぶん読んだ人が全員そうなるんじゃないかと思うんだけど、「実は…」というアダリーズ兄のファンになった!彼のスピンオフ(続編とか)がぜひ見てみたいです。