あらすじ
英雄騎士で公爵家の当主、みんなが憧れるルイ様に求婚された男爵令嬢の私、リリー。
だけど結婚してから二年――私はルイ様から嫌われ、義母と義姉から虐げられる日々を送っていた。
それというのも、義母は私のことを贅沢三昧をして使用人をいびる「悪女」だとルイ様に吹き込んでいるから!
ルイ様がいないときは使用人以下の扱いを受けて、いつもボロボロなのに……。
そんな仮初めの夫婦生活にも慣れたある日。いつものように庭で掃除をしていると、手のひらサイズのモフモフしたとっても可愛い小動物が!
ルイ様そっくりの瞳と毛並みをもつその子に、つい声をかけてしまったのだけど……「もしかして、あなたはルイ様?」「なぜわかったんだ!?」まさかの本人なの!?
しかも私のことを使用人だと勘違いしているみたいで――。
感想
結婚早々に、義母と義姉によって『悪女』に仕立て上げられたリリー(ルイがいない時は使用人以下の扱いを受けている)。そのうえ、元々結婚に興味がなかったルイは義母と義姉を信じて、リリーを軽蔑しているという。
そんな日々が変わり始めたのが、呪いによってモフモフ小動物になったルイを見つけたところから。ルイに使用人だと勘違いされたリリーは、呪いを解くためにルイに協力することになりますが、それによってお互いに真実を知っていきます。
最初は、義母と義姉の言葉を鵜呑みにして、リリーを軽蔑するなんて何てヤツだ!と思っていたけど、本当のルイはすごく誠実で優しい人だった。ルイが義姉と義姉を信じた理由も納得。
ただ、ルイの姿がモフモフの小動物だから、リア(リリーは自分がリリーだとルイに名乗っていないし、ルイもリアがリリーだと気付いていない)が他のメイドたちから冷遇されていることに怒ったり、諦めたようなことを言うリアにシュンとするのが可愛くて。
いや、ルイが優しい人だと分かる大事なシーンなんだけど、ただただ可愛かった!!
モフモフに癒されたし、何よりもモフモフ小動物がルイだと気付いていない義母と義姉&メイドたちが、次々にやらかして言い逃れできないようになるのが痛快。ルイが真実を知るまでの過程が面白かったです。