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あらすじ
伯爵令嬢ロロナ・リュースが事故死した。その知らせが舞い込んだのは、彼女が婚約者である王太子に婚約破棄を告げられた翌日のことだった。
妹を虐げたなどといわれなき罪で糾弾されながら、その咎めをあっさり受け入れたロロナ。
彼女は郊外の街道で横転した馬車の中、痛ましくも顔の潰れた遺体となって発見されたという。
その死を知ったロロナの妹は喜んだ。「これで王太子は自分のもの」と。
王太子は笑った。「もっと早く死んでくれればよかったのに」と。
しかし、彼らは知らなかった。ロロナの死がもたらすものは、幸運だけではないということを……。
感想
優秀なロロナへのコンプレックスにより、ロロナを疎ましく思っていた王太子と
身勝手な理由でロロナを陥れようとした義妹、そして無能な父と散財する義母…
ロロナの苦労も努力も知ろうとしなかった愚かな彼らが、ロロナの死をきっかけに破滅していくというストーリーでした。
最初は、彼らが破滅するようにロロナが仕組んだのかと思っていたけど(実は生きてて…)、終盤まで全然ロロナが登場しなくって……「まさか本当に死んだの?」と焦りました。でも…驚愕の死の真相が!ロロナの死の真相もまた報いなのかな。偶然ではあったけど。
「追放令嬢からの手紙~かつて愛していた皆さまへ 私のことなどお忘れですか?~」という作品も、追放された主人公からの手紙によって、彼女に関わった者たちが自ら破滅していく…というストーリーなのですが、それとはまたテイストが違って面白かったです。
自分の過ちに気付いた者とそうでないものの人生が変わるというところも良かった。特に、顔に傷を負ったうえに王太子に捨てられた義妹には幸せになってほしいなと思います。
かなり重めのストーリーですが、「どうなるんだろう」と先が気になってしまい一気に読んでしまいました。重厚感のあるストーリーが好きな方におすすめです!