あらすじ
男爵令嬢・ミレイアを虐げていた罪で、王太子から婚約破棄され国外追放された公爵令嬢・リーナ。
その5年後、王太子の元にリーナから手紙が届く。
「お元気にしておりますか?色々とありましたが、私も今は穏やかに過ごしております。殿下の人生に幸多からんことをお祈りしております。」
その手紙を読んだ王太子は「何を今さらぬけぬけと…」と苛立つが、同時刻に同じ内容の手紙が3人の元にも届いていた。
王太子妃となった男爵令嬢・ミレイア、リーナの親友だった伯爵令嬢、王太子の護衛騎士…
苛立ち、怯え、蔑み、喜び…それぞれの思惑は違うが、手紙をきっかけに彼らはリーナの行方を探し始める。
それが崩壊の始まりだとは知らずに…。
感想
リーナの国外追放に関わった王太子、王太子妃になった男爵令嬢、リーナの親友だった伯爵令嬢、王太子の護衛…4人に届いたリーナからの手紙。それが彼らが破滅(自滅)していくきっかけになるわけですが…
それぞれの視点で描かれていて、それぞれがそれぞれの思惑でどんな行動をとって破滅するのか…それがすごく面白かったです。
それと同時に、4人の回想から「リーナ国外追放事件」の裏事情も明らかになっていくというのも良かった。
特にマルク(護衛騎士)の思惑がこわすぎました!!
リーナのことを誰より想っているようで、その中心にあるのは自分のことだけ…まぁ、かなりエグイ罰を受けていたけど。
報復した人たちによる心理操作に(リーナではない)、己の欲とか愚かさにより破滅していく4人(逃げ道があったはずなのに)…本当にめっちゃ面白い作品でした。