あらすじ
物心ついた時から、人の頭の上に文字が見える伯爵令嬢ルイーゼは、
ある日、父の頭の上に「悪役令嬢の父（没落する）」という文字があることに気付く。
温厚で優しい父が没落するとは思えない。でも、この家には私しか娘はいない…。もしかしたら私の頭の上にも文字があるのかしら…
と恐る恐る鏡を覗きこむと、なんとルイーゼの頭の上に「悪役令嬢（破滅する）」という文字が！
悪役令嬢が何かよく分からないけど、たぶん「悪」は悪いこと。「役」は劇の役者のことよね？ということは、私は悪者役の令嬢ってこと！？もしかして、父が没落するのは私のせいなの？
自分のせいで優しい家族を没落させるなんてさせたくない！そう思ったルイーゼは、「悪役令嬢」の反対にある「善行令嬢」を目指す決意をする。
そんなある日、ルイーゼの能力を知った国王陛下より、第二王子であるシルヴィールの頭の上の文字を見るよう命じられるが
なんと、シルヴィールの頭の上には「攻略対象 第二王子（ちょろい）」と浮かんでいた！
思わず「………ちょろい」と言ってしまったルイーゼは、シルヴィールに詰め寄られて「攻略対象」についても伝えたところ、興味を持たれて婚約することに…！
感想
自分が「悪役令嬢」だと気付くけど、転生者じゃないルイーゼと転生者のヒロイン・ピクセル。
ピクセルは、ルイーゼを転生者だと思って話すけど、ルイーゼは「変態物語なのね！？」と解釈して、会話がすれ違っているのに微妙に噛み合っていて面白かったです。
それに、途中まではうっとうしいと思っていたピクセルが、ルイーゼの前向きさに感化されてツンデレの可愛い感じになったとこも良かった！
運命を変えるってなかなか難しいことだけど、「悪役令嬢（没落する）」の文字を変えるために、どんな時もめげずに前向きなルイーゼ。
ルイーゼのそんなところが、シルヴィールも大好きなわけですが、ルイーゼはまったく気付かず。周りに分かるくらいアピールしてるのに、なかなか報われないシルヴィールの不憫さに少し笑ってしまいました笑
また、みんなの頭の上の文字がなかなかで、特にルイーゼの母親の「悪役令嬢の母（逃げ延びる）」！
逃げるんかい！ってツッコんだけど、他の人たちの文字もツッコミたくなるものばかりなので、そこも楽しめると思います。それを活かしたルイーゼの行動も。
事件は起こるけど、ルイーゼの前向きさと笑いも散りばめられていて、最後までハッピーな作品でした。
