主人公は、梅が岡高校に赴任した教師の小山千鶴。
着任早々にアマチュアオーケストラ「梅が岡フィルハーモニー」の演奏に感銘を受けた千鶴は
「梅が岡フィルハーモニー」に入団を希望するも、間違えて老人ばかりの「梅が岡交響楽団」に入団してしまう。
老人ばかりだけど実は上手いのかも?と期待する千鶴だったが
その演奏は、顔だけ上手い風だけど信じられないくらい下手くそな演奏だった。
最初こそ、千鶴の入団を喜ぶ老人たちに「間違えて入団した」とは言えずにいた千鶴だったが、意を決して退団を決意。
しかし、なりゆきで心臓の悪い指揮者・野々村の代わりを務めることになり…。
という始まりです。
上手い下手も大事なことだけど、純粋に音楽を楽しんでいる老人たちを見てこちらも楽しい気持ちになりました。
それが、何度も「梅が岡交響楽団」を…いや、音楽さえもやめようとしてた千鶴を思いとどめたのかも。
老人たちにとって音楽は夢。昔は楽器なんて高価で買えなかったけど
ようやく買えるようになって、あの頃の夢を今叶えることができる…。
いくつになっても夢があって楽しんでる人たちは、キラキラしてるなと思いました。
そして、「好きなことくらい諦めずに頑張りたい」っていうセリフがめっちゃ響いた。
千鶴を退団させないために、おかしな嵌め方をしようとしたのに
長い人生を生きているから、良いことを言うときの重みが違う。すごい。
結末もハートフルで、梅が岡交響楽団を裏切った(他にも因縁があり)大沢を見返して終わるのかと思いきや、
「見返したというよりも心を揺さぶった」という終わり方で温かい気持ちです。
あ、千鶴の恋がこの作品のテーマに沿った終わり方をして、可哀想だけどちょっと納得しちゃいました笑