【ネタバレ感想】ゾクッとする結末「合格にとらわれた私 母親たちの中学受験」

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あらすじ

自分が諦めた中学受験を、一人娘の「綾佳」に挑戦させることにした真澄。


しかし、「綾佳」の成績は伸び悩み、受験生最後の年を迎えても目指していたクラスに上がれないままだった。


そんな中、「綾佳」よりも成績が良くなかった「まりん」が同じクラスに上がってくる。


ママ友である「まりんの母・かなえ」から“綾佳ちゃんと同じ学校を受験する”と聞いた真澄は、焦りと苛立ちを感じ始め、綾佳に強く当たるように。


一方、同じ塾に通う成績優秀な優也の母・潤子は、自身の出身校に入れたがる夫に疑問を抱きながらも、学歴コンプレックスから夫に逆らえずにいた。


我が子を信じ、子供の勉強に伴走していたはずが、己のトラウマやコンプレックスとの闘いにまで発展していく中学受験。


母親たちの葛藤と、それを乗り越えるまでを描いたセミフィクション。



感想

ずっと「まりん親子」のことを“下”だと思っていた真澄。「まりん」の成績が娘より上になり、焦りや嫉妬から娘を追い詰めていく。「子供というフィルターを通して、自分が評価されてるみたい」だと。


コンプレックスから真澄の精神状態もだいぶ危うかったけど、もっと追い詰められていたのは、娘の「綾佳」。そんな「綾佳」を救ったのが真澄が敵視している「まりん」でした。


母親が上だとか下だとか言ってる中でも、子供たちは「大人たちのためじゃない。自分のために頑張ろう」と。そして、父親から「自分の出身校に通え」と言われている優也もまた、自分で選んで歩き始めるという。


最後は、みんな合格するのかと思っていたけど、合格したのは「まりん」だけ。それでも、それを乗り越えた真澄と潤子、それぞれの子供たち。


ただし、ずっと穏やかで朗らかだった「まりんママ」の一言が恐かった!!そういえば、時々「おや?」と思うことを言ってたような。ようやく、“上”とか“下”とかではなく子供自身を見られるようになった真澄と潤子とは対照的に、「まりんママ」の“上”と“下”はこれからなんだろうと思いました。