
あらすじ
あんなに優しかった夫は変わってしまい(浮気もしてる)、家事に育児でイライラの毎日を送るエリコ。
ある日、夫が「結婚したことが人生最大の失敗」だと話してるのを聞いてしまい、娘が大学生になったのを機に50歳手前で離婚しますが…
感想
これは、そんなエリコの離婚後の生活やリアルな心情、周りの目、娘の気持ち、夫の愚痴や不満だらけなのに離婚しない友人たち…離婚をテーマとし、いろんな視点で描かれている作品です。
離婚をして自由になったはずなのに孤独が襲ってきたり(娘が父親側についたこともあり)、生きていくために働かなくちゃいけなかったり、周りの目があったり…エリコの心情が非常にリアルでした。
また、娘の心情もリアル。父親の浮気も知っていたうえで、父親側についた理由もとても冷静で…だけど、「元気な私になるまで…」と一人で泣く姿に切なくなってしまった…。両親のために無理に大人になろうとしてると感じてしまって。
そんな娘や、夫に不満だらけの友人たち、離婚したくてもできない叔母のエピソードがあり、物語が進んでいくわけですが
最後に、エリコはたまたま元気そうな元夫を見かけて、初めて夫の気持ちに寄り添います。
ここで、エリコにとって自分の「人生最大の失敗」は何だったのか、に気付くことに。
元夫と結婚したこと?離婚をしたこと?いいえ…
「人生最大の失敗は自分の意志で人生を作ろうとしてこなかったことだ」
結婚したことも失敗じゃないし、離婚したことも失敗じゃない。
これがエリコの答えだったわけですが、これにすごく共感しました。
自分の意思で人生を作れば、反省をすることはあっても後悔することはない、そう思います。
そうそう、たまたま楽しそうに自転車に乗るエリコを見かけた元夫が「人生最大の失敗」について出した答えも、リアルでした。