昨日は「忍くんは鈴に恋心があるのか?ないのか?」について書きましたが
今日は『鈴はなぜお父さんとご飯が食べられないのか』について書こうと思います(持論なので注意)。
母の死により鈴ができなくなった2つのこと

明言はされていませんが、描写から合唱団に入っていたと思われる鈴の亡き母。
そんな母の影響で鈴も歌うことが大好きでした。
しかしながら、母の死をきっかけに歌うことができなくなってしまいます。
そしてもう一つ、できなくなったことが。
それは『父親と食事ができない』ということ。
もしかしたら『父親が作った食事が食べられない』なのかもしれませんが
それについて明言されていないので
今回は『父親と食事ができない』で書いていきます。
鈴と父親の関係性を表すシーン
公式サイトのキャラクター紹介に
鈴の父親は『母を亡くした鈴とうまくコミュニケーションが取れず、どこか距離がある。』とあります。
その距離感をよく表しているのがこのシーン。
このシーンは一度だけではありませんでした。
父「今日、飯は?」
鈴「いらない」
父「そっか」
家族での食事は、家族の関係性を表していると私は思っています。
一度だけではなく、何度か出てきたシーンだということは
もう何年も一緒に食事を取らない生活をしてきているということ。
つまり、父と鈴にはかなり大きな距離があるのだと言えるでしょう。
なぜ鈴は、父親に冷たく一緒に食事を取ることもできないのか
そもそも、なぜ鈴は父親に冷たいのか…
一緒に映画を観た夫は
「お母さんが死んだのはお父さんのせいじゃないのに、お父さんに冷たくする理由がわからない。可哀想」
と言っていました。
そう、お父さんはお母さんが亡くなった時に現場にもいませんでした。
だから、鈴がお父さんに助けを求めたのに、お父さんはお母さんを助けられなかった…というわけではありません。
ではなぜ冷たいのでしょう?
その答えは鈴の言葉にあると思います。
「なぜ、お母さんは名前も知らない子を助けて死んだの?」
「なぜ、私は一人ぼっちなの?」
鈴はずっとお母さんの行動を受け入れられずにいました。
一人ぼっち…というのは自分の心を理解してくれる・その答えをくれる人はいないという意味ではないでしょうか。
そこで『なぜ鈴は父親に冷たいのか』に戻りますが
父親は受け入れたからだと思います。
お母さんの死を、お母さんの行動を。
その瞬間から幼い鈴にとって父親は『私の味方ではない人』となってしまったのかもしれません。
そして…
父親と一緒に食事が取れない理由…
これは、歌えなくなった理由と同じ理由ではないでしょうか。
映画の本編では、幼い鈴とお父さん、お母さんが楽しそうに食事をするシーンが描かれていました。
つまり
お父さんと食事をすることでお母さんのことも思い出してしまうから。
お母さんがいない現実と
あの日の出来事を…。
鈴は父親のことが嫌いなわけではなく、母の行動が理解できないでいたから
思い出すかもしれないということ自体を受け入れられなかったのだと私は思います。