“最強”と称えられながらも、誰にも理解されない悲しい定め。
大好きだった姉の“死に際のセリフ”は幼い天馬の心を壊すのには十分すぎました。
今回は勘九郎や天馬たちの過去が明らかになります。
そんな13巻のあらすじと感想(ネタバレあり)を書いていきますね。
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あらすじ
十二天将・水渡坂勘久郎の過去

ついに御前試合が始まった。
ろくろの最初の相手は『水渡坂家当主・十二天将「水渡坂勘久郎」。
戦いは五分五分に見えたが、ろくろは勘久郎が手を抜いていることを指摘する。
そして…
「そのマスクの下に隠した あんたの力を出してくれないか…―――なぁ?勘ちゃん先生!」
「何故…君がその呼び方をっ…」
「勘ちゃん先生」という呼び名に顔色を変える勘久郎。
実はろくろは、試合が始まる前に勘久郎の友人である「雲林憲剛」から勘久郎の過去を聞いていたのだ。
勘久郎もろくろと同じように過去に囚われている人物だったのだ。
勘久郎が務める病院には、かつて「早花咲組」という病室兼教室があった。
その早花咲組には呪力練成による負荷で体を弱くしたり、先祖が受けた呪いを遺伝によって受け継いでしまった特殊な子供達がおり、勘久郎はその子供達の面倒を見ていたのだ。
勘久郎の優しさや温もりに触れられて、子供達は幸せな毎日を過ごしていたのだが――…
パキッ ペリ ペリッ
過去にも、壊滅的被害をもたらしたケガレが現れたのだ。
これにより、勘九郎は残酷な選択を迫られることになる。
それは…
「ケガレに捕まった子供達の命か島の守護か」
勘久郎の能力「ケガレ喰い」…この能力を使えばケガレから島を守れるが、その代償に子供の命を諦めなければならない。
勘久郎が選んだのは――…。
この事件により勘久郎は、ケガレ喰いを封印してしまったのだ。
戦い方もまるで死に場所を求めるような亡霊のよう。
その姿はかつてのろくろに似ていた。
それでも立ち直ったろくろだからこそ、憲剛は託したのだ。
その後、激闘の末…ろくろの勝利となり――…。
最強と謳われる“十二天将・鸕宮天馬”の過去
試合は順調に進み、ついに『斑鳩家・十二天将「斑鳩士門」VS『鸕宮家当主・十二天将「鸕宮天馬」の試合が始まった。
最強と呼ばれる天馬の攻撃に圧倒される士門。
そんな士門に天馬は…
「どうせ放っといても勝手に死んでいなくなるんだろうが弱い奴らは……だったらうっかり死なないようにコソコソ生きてろよ」
と言い放つ。
士門を侮辱する言葉なのだが、実はこの言葉にはもっと深い意味が込められていた。
それは、さかのぼること10年前…
士門(9歳)と天馬(10歳)は同じ学舎で学ぶ小学生。
真面目な士門とやる気のなさそうな天馬はいつも衝突をしていた。
そんなある日…鸕宮家兄弟全員の手にムカデのような痣が浮き出る。
その日以来、誰も学校に来なくなった鸕宮家兄弟。
その理由は…
「殺し合いのため」
代々、鸕宮家には次の当主を決めるための「殺し合い」という儀式があったのだ。
ルールはただ一つ。最後の一人になるまで兄弟で殺し合うこと。
天馬は大好きな姉を刺した時に、呪いとも言える言葉を投げかけられてしまう。
心が壊れてしまった天馬。
そんな天馬の孤独や絶望を知ってしまった士門は、天馬を支えるために――…。(引用元:助野嘉昭「双星の陰陽師」より)
感想
今回は試合を通じて、勘久郎・天馬・鳴海の過去が明らかになりました。
鳴海の過去はハッピーな感じでしたが、勘久郎と天馬は壮絶。
特に天馬。
「鸕宮家」は陰陽師として最強の家。
その強さのゆえんは、兄弟の無念や恨みを背負っているから…だそうです。
天馬はそれを10歳で背負ってしまったのです。
しかも大好きな姉に
「あんたの苦悩も孤独も一つも理解されないまま」
「一生、誰もあんたを理解してくれる人間なんて現れない」
と言われてしまうという。
でも、これは八つ当たりなのかなと思いました。
だって、天馬の姉はいつも天馬を気にかけていましたから。
天馬が士門と揉めていたら、すぐにフォローに回ったりして。
はっ!!だからこそ余計に絶望したという描写なのかな!?だとしたら、絶大な効果です…。