
あらすじ
悪役令嬢に転生したことを知らないまま、王太子から婚約破棄された公爵令嬢エステル。これからは庶民としてつつましく生きよう!
と隣国の料理屋で働くことに。六年後、亡くなった店主の双子の娘ココとミアを育てながら料理屋も切り盛りしていたけれど……。
双子の兄を名乗る公爵フレデリックが訪れ、相続争いに巻き込まれそうな双子たちを守るため恋人のふりをすることになり!?
感想
亡き親友の子供たちを大切に育てながら、彼女が遺した料理屋を切り盛りするエステル。そんなある日、子供たちの兄だという男性が現れて…という始まり。
最近は、「訳あり伯爵様と契約結婚したら、義娘(六歳)の契約母になってしまいました。」とか
「継母の心得」とか、ある日突然「子育てが始まる!」みたいな作品が好きで読んでみました!!
結果的に大満足。さっき例に挙げた2作品よりも“子育て”に焦点が当たっていたわけじゃないけど、そうじゃなくてもすごく良かったです。
何が良かったって、エステルとフレデリックの不器用で不慣れな恋愛模様に甘酸っぱさを感じたり、誠実なフレデリックの嫉妬にキュンとしたり……は、もちろんのこと『エステルに婚約破棄を言い渡した、あのバカ王太子のその後』が良かった。
どこまでもアホ女なセシルは罰せられて当然……というか救われなくて良し!と思うけど、自分の過ちに気付いて反省した王太子が立ち直るっていうのは好きな展開。スカッとも好きだけど、反省した人間には救いがあっていいと思う。
この王太子のエピソードがかなり印象的で、もう一人の主人公なのかなって。ちょっと「ざまぁされた王子の三度目の人生」という作品を思い出しました。