【ネタバレ感想】闇が深いドラマ「腐りゆく家族」たちの破滅とやり直しと。

実際に読んだ漫画や観た映画・アニメなどのレビューです。本ページはプロモーションを含みます。


腐りゆく家族

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あらすじ

遠距離恋愛を続けた彼との結婚式の2次会で、ブーケを持って現れたのは夫の浮気相手。何も知らないのは私だけだった……。


結婚後もずるずると不倫を続ける夫、公然と愛人を連れて歩く義兄、同居することになった義父もまた、女性問題で義母から離縁されていた。


なんとも言えない澱んだ空気が流れる、腐った家。いつか私のところに戻ってくるならば…と我慢をしていたけれど、ある日夫から衝撃の事実を告げられ、自分自身の価値すらも揺らぐことに。


女であること、一人の人間であることに根本から向き合うことになった主人公が選んだ道は……!?



感想

夫に不倫をされてる「かりん」と、いつまでたっても不倫相手と別れない夫。そして、「かりん」と同居してる義実家の人たちの闇とやり直しを描いた物語でした。


思っていたよりもずっと人間の心理に迫った深い作品だったと思う。


不倫相手への憎しみの感情に支配されていく「かりん」や、嫌なヤツ…だけではな片付けれない不倫相手の女の背景、親の不倫によって壊れていく子供たち…


それぞれが抱える闇や感情が複雑に絡み合っていて、壮大なドラマを観ているような感覚でした。


こういう作品では夫と不倫相手への制裁がお決まりだけど、「かりん」が選んだのは裁判をしないこと。その理由もそこに至るまでの過程も、「かりん」が幸せになるために必要な選択だったのだろうと思います。


「かりん」が堕ちるのを止めてくれた「梅本さん」が言うように「憎しみは生きる原動力にはならない」ってね。


ちなみに、この「梅本さん」は、モブのようでこの作品のキーマンのような存在。


彼女の闇は結末まで読むと明らかになるんだけど……「梅本さん」が「かりん」を止めたのが、自分のようになって欲しくないという気持ちからだといいなと思います。


最後に、「かりん」は二人に制裁をしなかったけど、想像してなかったところからの制裁で不倫相手と夫は破滅。やっぱり、誰かを傷つけて幸せにはなれないんですよね。