【ネタバレ感想】「べつに友達じゃないけど」は、明日から幸せになれるような物語だった。

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べつに友達じゃないけど

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あらすじ

空っぽの大人になった私を動かしたのは高校時代の小さな約束だった40歳を過ぎたある日、地元を離れて暮らす私のもとにお葬式の招待状が届いた。


結婚式の招待状みたいに華やかなそれの差出人は、亡くなった高校の同級生。名前に覚えはある…でも、なんで私?


本当の友達なんていないと思っていた男女4人の物語。


それぞれが「高校生だった頃の私が今の私を見たらどう思うだろう」と、上手くいかない現実への思いを抱えて暮らしている。


住む場所も生き方も異なる4人は、高校時代に一瞬だけ重なり合う瞬間があった。



感想

お葬式の招待状だなんて、なんだかドロドロしていそう…と思った自分を叱りたい。じんわり優しい気持ちになれる作品でした。


親しいわけじゃなかった4人が、あの頃それぞれをどう思っていたのか、どんな人生を送ってきて、今どう過ごしているのか。そして、亡くなった彼女とは関わりのなかった4人……ではなく3人になぜ葬式の招待状が届いたのか。


その理由がじんわりと温かい気持ちにも、泣きたい気持ちにもなる複雑な感じでした。


最後らへんに、あの頃の彼女視点のエピソードがあるんですが、何気ない4人の言動に彼女がどれほど嬉しかったのかが描かれていて。


彼女にとっては“大好きな素敵な人たち(4人はそんなに素敵な人たち!ではないけれど)”とのあの日の約束が、唯一の“生ききる希望”でもあり、結婚式の招待状みたいな華やかなお葬式の招待状だったんだなと。


そして、その生き方は伊藤くんにとってはもう一人の自分。伊藤くんを含め(バス停にいた!)、彼女に明日からの幸せや勇気をもらった4人が幸せでありますようにと心から思う作品でした。