あらすじ
ある小学校で、小学6年生の児童が学校の屋上から飛び降りた。児童の名は紫村俊介。
命こそとりとめたが意識不明の重体で、現場に残された遺書からいじめを苦にしての自殺未遂と推測された。
そして、遺書にはいじめの加害者として青空茜の名前があった。
母親の青空翼は娘を問い詰めるが、茜は頑としていじめの事実を認めない。そんな茜の態度に引っ掛かりを覚えつつも、翼は娘を信じることにする。
なぜなら、紫村俊介はかつて茜をいじめていた子だったからだ――。果たしていじめの本当の「加害者」は誰なのか。
感想
屋上から飛び降りた児童・俊介くん。彼の遺書には、かつて彼にいじめられていた娘・茜を含む4人の名前があった。果たして彼を自殺に追い込んだのは、茜たちなのか?という始まりです。
いじめた側は忘れても、いじめられた側はずっと忘れないという話だった。
彼の遺書(ではなかったけど)にあった茜の名前。茜の行動は俊介くんが飛び降りるきっかけの一つだったかもしれないけど、誰も茜のことを責めれないと思う。というか背負わせちゃいけないと思う。
いじめられたことを忘れられないけど、悪口も言いたくないしイジメなんてしたくない。だから茜は吐き出せる場所を作ってしまったわけで。真相を知った茜の母親の葛藤も本音もリアルでした。
最後に、これは最初にも書いたんですけど、この作品は「いじめた側は忘れても、いじめられた側はずっと忘れない」という話だったと思う。
それがよく分かるのが、ラスト。茜のこともそうだけど、俊介くんの母親の一言に一番、それを感じました(俊介くんもだけど)。