あらすじ
前世の記憶を思い出したときには、もう遅かった――。
どうもこの世界は乙女ゲームの世界らしい。私ヴィヴィエッタ・ラディアーチェはアーダルベルト第二王子の婚約者であり、ヒロイン、モニカ・ニコレッティにとっての『悪役令嬢』である……ようだ。
モニカに迫っていたところをアーダルベルト殿下に見つかってしまい、なんとそのタイミングで前世の記憶が戻ってしまった! このままテンプレどおりに婚約破棄されるかに思えたが――?
感想
元婚約者である殿下の策により、ど田舎に引きこもったセシリオの婚約者候補となったヴィヴィエッタ。
だけど、このセシリオは義母に父も居場所も奪われ、継承権も剥奪された事情を抱える男性で。
最初こそ、義母や公爵家から逃げ続け、ヴィヴィエッタからも逃げ続けていたセシリオですが、
いつしかヴィヴィエッタを愛するようになり、ヴィヴィエッタと一緒にいるために、臆病で気弱なんだけど危険を承知で殿下の要求(セシリオの義母関係)をのむという。
そんな彼を見守る……のではなく一緒に戦うことを決意したヴィヴィエッタがめっちゃかっこよかったです(「幸せは自分で勝ち取りに行く!」という強くて前向きな女性が好き)!!
本当に、あの王子なんかと比べるとセシリオがどれだけ誠実なのかがよく分かる。
自分の都合のために、ヴィヴィエッタとセシリオを利用して、しかもセシリオに「この件を引き受けないと、君、ヴィヴィエッタと結婚できないけどいいんだね?」みたいな感じで脅すようなクズ王子なんかと、ヴィヴィエッタが結婚しなくて良かった。