あらすじ
「155センチ!でっか~!みゆ149センチじゃけえ憧れる~!」
やたらと周囲に低身長や幼く見られるアピールをする大学生・みゆには、衝撃の秘密があった……。
アラサー既婚者・きよかがある日実家に立ち寄ると、大学生の弟の彼女・みゆと出会う。
みゆは大学1年生だが、きよかの夫の膝に座ろうとしたり、「身長が低いから吊り革を掴めない」「童顔で小学生に間違われる」と自称したりと、やたらと幼く見られるアピールをしてくる。
初めはそこまで気にしていなかったきよかだが、次第にエスカレートするみゆの行動でトラブルに巻き込まれていってしまう。
なぜみゆはこんなにも「幼さ」にこだわり周囲にアピールするのか、その背後にはとある秘密が隠されていた……。
感想
大学生なのにイタイ女だと思っていたけど、そうなってしまったのには事情があったわけで。
「ゆみこ」ではなく「みゆ」と名乗った理由も、子供みたいに振舞ってる理由も、闇が深い。
家族のために自分を犠牲にして、良い姉であり良い娘でいなくちゃいけなかったゆみこの過去は、読んでいて辛くなりました。
だからといって、誰かに迷惑をかけていいわけじゃないけど、ゆみこには幸せになってほしいなと思っていたら、真エピローグがめっちゃ残酷。
この作品、エピローグが「エピローグ 数年後のみゆちゃん」と「真エピローグ ゆみこの幸せ」があるんですよね。
その真エピローグが、かなり辛い。結婚して、子供ができてもハッピーエンドにはならないのです。彼女が「ゆみこ」の呪縛から解放される時はくるのかな。