夫の転勤で大阪に必死てきた専業主婦のハル。
子供もいない、友人もいない、唯一の話相手である夫とはすれ違い、孤独な日々を送るハルですが
夫の「オレありきで遊ぶことを考えてるのやめなよ。お前も自分の世界を見つけなって」と一言で、本屋でパートをすることに。
ハルは、そこでアルバイトの後藤(大学院生)さんと出会います。
夫とは違い、ぶっきらぼうだけど優しい彼にダメだと思いつつ惹かれるハル。
ハルは、自分が既婚者であることを言えないまま、彼と連絡を取ったり食事に出かけるようになり…
という始まりです。
他のサイトで途中までしか読めなくて、結末が気になり購入。
不倫には嫌悪感しかないけど、読み物として面白かったです。
彼にときめく気持ちと罪悪感、葛藤などがリアルに描かれていました。
まだ学生である後藤さんを選んだら、生活面で苦労するだろうし
不倫をしてる夫を選んでも、これまでのように家政婦のような扱いをされるかもしれない。
さて、ハルはどちらを選ぶのだろうと思っていましたが、リアルだなと思いました。
この結末に「モヤモヤする」とか「離婚して後藤さんを選べ!」といった意見がありそうだけど
そもそもこの作品は、はっきりさせる作品なのではなく警告なんじゃないかな。
だから、ここまでしか描かれないんだと思う。
なぜなら、ハルにも自分自身を省みるところがあったから(夫がクズなのはもちろんだけど)。
さて、ハルは今後どうなっていくのかな。
夫と向き合ってみるのか(彼の心を取り戻す)、離婚するのか、生活のために今まで通りの生活を続けるのか。
どちらにせよ、ハルに待ってる今後は険しいものなんだろうなと思いました。