主人公は、自国の敗戦により敵国の皇太子・キースファルトの妻となったティナーリア。
王女として生まれながら家族から使用人以下の扱いを受けていたティナーリアは
幼い頃に初めて笑いかけてくれた初恋の相手・キースファルトに、一途な想いを抱いていましたが、キースファルトから「恋人がいる」と冷たく言われてしまい…
という始まりです。
自国でも酷い扱いを受けて、愛する夫からも冷たくされ、嫁いだ国からは「酷いことをした敵国だから」と冷遇されて…
それでも、誰かを責めるわけでもなく、少しでもキースファルトの役に立とうとする健気なティナーリアに涙でした。
もう本当に「これでこんな可哀想な展開終わりだよね?え?まだ続くの…?」と思うほど、ずっとティナーリアが可哀想なのですが、
キースファルトもキースファルトで抱えている問題が複雑で大きい。周りの策略もあって、どこまでもすれ違う二人…
ようやくティナーリアが初恋の人だと気付いたのに、すでに無理やり処女を奪った後で、自分の愚かさを後悔するキースファルトにもまた切なくなりました。
これ、本当にハッピーエンドで終わるのだろうか…と読んでいるうちに何度も不安になりましたが
あんなにも不遇だったティナーリアとキースが幸せになり涙。絶望を知ってるからこそ、二人の幸せに感動しました。