
主人公は「恋している人が、心の中で思い浮かべたポエムだけが聞こえる」という変わった“祝福”を持つ田舎出身のリヴィア。
ある日突然に、伯爵令嬢シャーロットにより「悪役」に仕立て上げられたリヴィアは
ついに、婚約者・フェリクスから婚約破棄をされてしまいます(フェリクスもシャーロットの味方だった)。
フェリクスのことは別に好きだったわけでもないし、次の婚約者を探せばいいやと思っていたリヴィアですが
ことごとくシャーロットに邪魔をされて、すべての縁談が破棄に!
しかし、事情を知った友人の侯爵家・セリアン(土いじり友達)から
「じゃあ、僕と結婚してみるかい?」
と提案されて…!?
という始まりです。
リヴィアから婚約者の心を奪って婚約破棄させたのに、それで終わりじゃなくて
とにかくリヴィアを不幸にしようとするシャーロットが不気味でした。
リヴィアの元婚約者が好きだったわけでもない、セリアンが好きなわけでもない…
リヴィアと何かもめたことがあるわけでもない…
それなのに、なんでそこまでリヴィアに執着するのか…
その理由が最後に分かるのですが、まさかの本当の目的にさらに恐怖でした。
溺愛ものの作品に執着ってよく使われるから、抵抗なくなってたけど
そうだ、「執着」って怖いものだった!!
そんなシャーロットの執着により、リヴィアは危ないめに合うのですが
リヴィアを守るために必死で動くセリアンも、守られるだけじゃないリヴィアもよかったです。
最後にシャーロットを追い詰めるシーンにはハラハラドキドキ。
そして、リヴィアにセリアンの「ポエム」が聞こえない謎もずっと気になっていたけど
なるほど~!!と納得しました。
思っていたよりも壮大なストーリーで読み応えのある作品でした。