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「完璧令嬢が初恋したっていいじゃない! アンソロジーコミック」に収録されてる作品の一つ「初恋の灯を君へ 」。
こういう愛の形もあるよね…この作品、めっちゃ切なかったです。
主人公は、あと一週間でアルド王国へ嫁ぐことになっている公爵令嬢・エリー。
生まれ育った大好きな国のために、大好きな街のために。
エリーは最後の一週間を蝋職人・エイダンの元に通います。
幼い時、プレッシャーで苦しんでいたエリーの心を、優しく照らしてしてくれたエイダンの蝋の温かい炎。
エリーにとってエイダンの炎はずっと特別だったのです。
しかし、そんなエイダンの炎を見ることができるのも、エイダンと一緒にいられるのもあと少し。
あと2日、あと1日、そして明日…しかし、エイダンは何も言いません。
エリーは、蝋作りで疲れて満足そうに眠るエイダンに
「今までありがとう。ずっとあの日の約束を守ってくれて…」
と去っていきますが…という始まりです。
アンソロジーコミックって「好き合っている二人が結ばれてハッピーエンド」が多いから
この作品も最後はそうなるんだろうと思ってました。
なのに、まさかの泣ける展開。
エイダンの後ろ姿と、どこまでも続く蝋の灯にウルッときました。
二人にとって蝋の灯は、伝えたいけど伝えてはいけない気持ちを表現するものだったのかな。
もちろん幼い時の約束でもあるけど。
あー、アンソロジーで想いあってる二人が結ばれないっていう結末(精神的には結ばれてると言えるかも)は、初めて読んだ気がします。切なかった…。