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普通の人とは違う“目”を持つフィオナ。
実はフィオナには「ひとならざるモノ」が視えるのです。
そんなある日、フィオナはとあるパーティーで
ヴィンセント公爵に大量の黒い「人ならざるモノ」がついているのを見てしまいます。
本来、人ならざるモノは人に危害を加えることもなく、ついている人に影響を与えることはありませんが
大量についてれば話は別。
いつも顔色が悪く病弱だと噂されているヴィンセント…「噂の正体はこれか」とフィオナは思います。
しかし、「人ならざるモノ」が視えることで傷ついてきたフィオナは
ヴィンセントに話かけられても、ダンスに誘われても「変なことは言わないように」と気をつけていました。
それなのに…パーティーの数日後、夜会に誘われて…!?
という始まりです。
大量の黒い「人ならざるモノ」につかれている公爵と「人ならざるモノ」が視える令嬢のラブストーリー。
人ならざるモノが悪霊かと思っていたので、もっとダークなストーリーを想像していたけど
温かいストーリーでした。
ストーリーが進むと、ヴィンセントに「人ならざるモノがついていること」「人ならざるモノの正体」が
明らかになりますが、それまでは
ヴィンセントにとってフィオナは「一緒にいると体調がいい。こんな経験は初めてだ」と思える女性。
それを「運命」だと「恋」だと告げようとするヴィンセントに
フィオナは「恋だと勘違いしないように」と答えます。
最初にクギを刺してしまったことで、二人の恋愛は焦れ焦れしますが
それがまた良かった。ヴィンセントも誠実で大人だったし。
それに、人ならざるモノが結構かわいくて
フィオナが心の中でツッコんでるのも面白かったです(フィオナにしか視えないから)。
「わかる、わかるよ。私もケーキが目の前にあるのにガラスの壁に遮られていたら、その壁が恨めしいもの」
とか笑
特に嫌な奴!という人も登場しないで、ストレスなく楽しめる作品でした!