連載中の漫画「わたしは壁になりたい」。
妻・ゆり子と夫・岳郎太の物語で二人は偽装夫婦です。
アセクシャル(恋愛感情も性的欲求もない)で腐女子「ゆり子」と幼馴染(男)にずっと片思いをしているゲイ「岳郎太」…
恋愛はできないけど、互いが互いを理解しあえるパートナーの関係です。
そんなある日、岳郎太はゆり子の持っているBL本をこっそり読んでしまいます。
そこで、岳郎太は思うのです。
「恋愛感情が持てないのに、ゆり子さんはなぜ…恋愛漫画(BL)や性描写が好きなのだろう。」
と。
その答えをくれたのはゆり子ではなく、ゆり子の友人(ゲイ)なのですが、その答えがすごく心に響きました。
今回は、「恋愛感情を持たない(アセクシャル)のゆり子がなぜ好んで恋愛漫画を読むのか」についてです。
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アセクシャルのゆり子はどんな視点で恋愛漫画を楽しんでいるのか。
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ゆり子の友人は、デザートの『甘さ』に例えていましたが、
例えば「甘さ」が分からないとして、そんな人が「デザート」を食べていたら
「甘さが分からないのに、なぜデザート?」
と周りはきっと思うでしょう。
でも、ゆり子の友人はこう言います。
「『甘さ』を感じなくても、デザートを楽しむ方法はきっとたくさんある。『甘さ』を噛み締めて笑顔になる周りの人たちの幸せそうな様子とかね」
つまり、恋愛感情が性的欲求を感じなくても、恋愛漫画を楽しむポイントは人それぞれだと答えたのです。
他の感覚はあるのに、なぜあえて恋愛漫画を選ぶのか?
恋愛感情や性的欲求以外の感情は分かるのに、なぜあえてゆり子は自分に分からない恋愛漫画を選ぶのか…
その答えは
「分からないから知りたい」
だったのですが、それに続く言葉が深いなと思いました。
恋愛や性愛の捉え方や付き合い方は人それぞれ。
性的欲求はないけど状況によってはセックスできる人、恋愛はできるけど性的なことは全然ダメな人、本当に様々なのですが
その中でも「デザートの『甘さ』に例えていだと思う」とゆり子の友人は言います。
そして
「恋愛も性的接触も自分は欲しくないけど、他人のそれらをどこか眩しいものとして見てる気がする。世にあふれるそういった繋がりを美しく…尊いものとして捉えてるって言うのかな」
と。
人生の味わい方が違うだけ
最後にゆり子の友人は自分たちをシックスセンスに例えて、共感覚の人の話をします。
そして
「ただ感じ方が違うだけ。人生の味わい方がそれぞれの人にあるってだけ」
だと言うのでした。
それを聞いた岳郎太は
「感じ方が…味わい方が違ったとしても、一緒に食事をすることはできますよね。隣合って一緒にオーケストラを聴くことはできますよね」
と。
互いに恋愛感情がなくても寄り添うことはできる…岳郎太はそう答えたのです。
まとめ
恋愛感情を持たないゆり子とゲイの岳郎太。
世間ではまだまだ理解されにくい二人ですが、互いを尊重して自分たちなりの夫婦関係を築いていくという素晴らしい作品でした。
ほのぼのしているけど、時折「ハッ」とさせられることも多く人生の勉強になると思います。