中学生の時に不登校になってしまった姪っ子(現在は高校生です)。
それは、もう本当に突然のことでした。
いじめに合っているわけでもない、勉強が嫌なわけでもない。
最近よく聞かれる理由なき不登校でした。
理由がないから対処のしようがない。
学校に無理に行かせた方がいいの?休ませた方がいい?
今回は不登校だった姪っ子が学校に行けるようになるまでを書こうと思います。
突然の理由なき不登校
ある日、突然の姪っ子の不登校。
私が知ったのは、姪っ子が不登校になって一週間くらい経った後でした。
「〇〇が学校に行けなくなって…」
「……いじめ?」
「〇〇は違うって言ってる。それでね、どうして?って聞いても分からないって言うの」
「……分からない?」
これは後から思ったことですが、やはり理由なき不登校などないのだと思います。
行けない理由が複雑に絡み合っていて上手く言葉にできなかったり、姪っ子のように発達障害による過敏症だったり(不登校をきっかけに発覚しました)。
何かしら必ず理由があるはずです。
しかし、子供から理由を聞くことは難しいかもしれません。
「理由がない」
と本人が言う以上、本人が自分で自分の気持ちを整理するまで待つことしかできません。
周りはすごく焦るんですけどね。
どうしたらいいのか分からなくて、心配すぎて「何かしよう」としてしまいます。
分かります、私たちもそうだったから。
無理にでも学校へ行かせる?休ませる?
家族にとって一番の悩みは
「無理にでも学校へ行かせるべきなのか、休ませた方がいいのか」
でした。
実は、最初は姉夫婦に「休ませる」という選択はなくて
毎朝、行かせようとしていました。
しかし、そうすることによって姪っ子はどんどん心を閉ざしてしまっていき……。
これは憶測ですが
親を悲しませたくないから「学校に行かなくてはいけない」と思いつつも心ではそれを拒否している状態。
自分でもどうしたらいいのか分からないのに、学校へ行けと言われて追い詰められてしまったのだと思います。
そんな姪っ子の姿を見て、姉夫婦は無理に学校へ行かせることを止めました。
そもそも、学校に行かせようとしていた理由は
外部(友達だったり先生だったり)とのコミュニケーションを取ることが完全にシャットダウンしてしまうことを恐れたからです。
両親や私たち夫婦以外の誰とも関わらなくなってしまうと、今後の人生に影響が出るかもしれないと不安になったから。
しかし、このままでは引きこもりになってしまうかもしれない!という危機感(それほどまでに、姪っ子は心を閉ざしました)から、無理に行かせることを止めたのです。
休んでいる間にしていたこと。大きな転機。
無理に行かせることを止めてから、少しづつ姪っ子は自分の気持ちを話すようになりました。
でも、休ませるようになってからが結構大変で
学校の勉強だけは遅らせてはいけないと姉と私が勉強を教える日々。
正直、中学生の問題なんて全然覚えていなかったから、もう一度勉強したりと本当に大変でした笑
そして、もう一つ休んでいる間にしたことが。
それは職業体験です。
実は、知り合いに事情を話して職業体験をさせてもらうことができたのです。
なぜ職業体験をさせたいと姉が思ったのかというと
世の中にどんな職業があるのか、どんな仕事をしているのかを知って欲しいと考えたから(学校に行っていない分、そういう情報が本人に入らないため)。
ただそれだけの理由でしたが
これが姪っ子にとって大きな転機となりました。
なぜ、学校へ行けるようになったのか。
職業体験によって姪っ子は大きく変わりました。
最初に行った職場をすごく気に入った姪っ子。
先方もすごく姪っ子を気に入ってくれたようで
「中学を卒業したらうちにおいで。」
と見習いという形で来ないか?と誘ってくれたのです。
しかし、姪っ子は
「中学を卒業したらうちにおいで」
という誘いを断っています。
それには姪っ子なりの理由がありました。
「もっとたくさん勉強をしてから、そこで働きたい」
その勉強というのは、職場体験をした場所で働くための知識なのですが
その専門的な知識を付けるためには、まずは中学を卒業して高校に行かなければなりません。
このことをきっかけに、姪っ子は段階を踏んで学校に行くようになりました(夕方登校や週1日だったり)。
きれいごとかもしれませんが、やはり目標というのは大事です。
目標があれば、それを叶えるための方法を自分で考えるようになる。
学校に行きたくて行ったのか?と聞かれればそうではないかもしれませんが、夢を叶えるために必要だから行くようになりました。
現在の姪っ子は?
現在、姪っ子は不登校の子供に対応している高校に毎日通っています。
不登校の時とは比べられないほど、とても楽しそうで学校での話もよくしてくれます。
本当は、姪っ子を休ませると決断したとき…姉夫婦はそれでも迷っていました。
これが正解なのか、それとも…と自問自答する日々。
結果的に良かったのですが、周りができることに正解なんてないのかもしれません。
でもただ一つこれだけは言える。
目標を持てるように導くこと。学校に行く意味を見出してあげること。
これだけは周りが唯一できることなのだと思います。
もしかしたら、それでも学校に行かないかもしれません。
それでも、生きていく方法を考えるきっかけになると思います。
↓これは当時、スクールカウンセラーに勧められた本です。私も読んでみましたが、人生に迷う大人にもおすすめです。