教師をしていた頃、自分を冷たく見つめる一人の男子生徒を好きになった麻生先生。
辞めた今もその気持ちは冷めないまま、今も続く片思い。
ひょんなことから先生は片思いの生徒に再会します。
ようやく通じた想い…しかし、先生は「好きなのは今の彼ではなく昔の彼」だと気付いてしまい…
ちょっとせつないBL漫画です。
では、あらすじと感想を書いていきますね。
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あらすじ
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再会したのは「あんな大人にはなりたくない」と思っていた先生だった
家政婦の仕事を始めて半年。
もうすぐ研修期間が終わろうとしていた三島に、急遽レギュラーの仕事が入ります。
それは、近年ヒットと飛ばし続けている小説家の家。
しかし、チャイムを押して出てきたその小説家は…
「麻生先生?」
「たしかに先生とは呼ばれてるけどペンネームの方…」
「いえ、そうではなくて。三島です。中2の時、先生のクラスだった」
なんと、ヒット作を飛ばしている小説家とは三島のクラスの元先生だったのです。
さっそく、家政婦としての仕事を始める三島。そんな三島に麻生先生は声をかけます。
「ねぇ、三島……くん。僕はどんな先生だったか覚えてるかい」
「………いえ、『担任だった』というだけで印象があまり……」
「そう…なんだ…そりゃ、そうか…」
と力なく笑う麻生先生でしたが、実は三島は麻生先生のことを少しだけ覚えていました。
しかし…
それはあまりいい思い出ではなく、いつもオドオドしていて生徒たちにイジメられていた麻生先生のことを
「あんな大人にはなりたくない」
と思っていたのです。
この小説って…気付いた彼の気持ち
部屋で一人、麻生先生の小説(デビュー作)を読む三島。それは女性中学教師の話で……
すると三島はあることに気付きます。
登場してる生徒のほとんどが、名前は違えど当時のクラスメイトがモデルだ。
…そうすると、これは俺か?
『いつもジッと冷たく教壇だけを見つめる生徒だ。』
この一文が自分のことであると気付いた三島。
当時は麻生先生のことをずっと下ばかり見ている人間だと思っていましたが、そうではなかったことを知るのでした。
そして……
『その冷たい視線が刺さる度に、思っていけない。感じてはいけない。しかしそう思うほど自覚をしてしまう。私は彼に抱いてはいけない感情を持ってしまったのだと―――』
小説を読んで麻生先生の気持ちに気付いた三島。
麻生先生と一緒に過ごす時間が増えて、麻生先生のことに惹かれ始めていた三島は、意を決して麻生先生に本のことを聞いてみますが…
考えてくれませんか?今の俺のこと。
三島から本のことを聞かれた麻生先生は、「ごめん」と涙を流しながら部屋を飛び出してしまいます。
そんな麻生先生を追いかける三島。つかまえた麻生先生に…
「麻生さんは何も悪いことしていませんよ。」
「でも、あんな本のモデルにされて……」
「作者があなただと知らなければ気付けなかった。……でも、気付けたからこそ先生が好きになった生徒が俺であればいいと思ったんです。麻生先生…」
「ひ…一目惚れだった…でもひと回り以上違っていたんだ。ほとんど会話なんてしなかった…だから僕は……」
「今は違う。俺は今、麻生さんに惹かれています。考えてくれませんか?今の俺にもまだあなたが好きになるほどの魅力があるなら」
こうして、自分の想いを伝えた三島。今でも三島のことが好きで嬉しかった麻生先生は、小説家らしく『今』の自分を手紙で伝えようとしますが……
ごめん。僕が好きなのは……
あることをきっかけに、自分が好きなのは「中学生の頃の三島」だということに気付いた麻生先生。
「まだ僕は中学の頃の君を好きなんだ…僕の思い出に君を巻き込んでしまった……。昔も…今も僕は君に好きになってもらう資格はない…。ごめん…。」
そう麻生先生に告げられた三島は、麻生先生の家政婦を交代してもらう決断をするのでした。
しかし…当時の同級生のおかげであることに気付きます。
自分はずっと「今と昔は違う」と思いながら麻生さんと接していた。
でもそれは過去の彼を否定していたにすぎなくて…気付かないうちにお互いの距離が離れていたのかもしれない。
少しづつ距離が縮められるよう…あの時のようにまた、笑顔で話せるように…
たとえ、10年20年かかっても―――…
そう誓うのでした。しかし……
感想
エッチなシーンはありませんが、ストーリーに大満足の一作です。
三島くんと麻生先生が当時の同級生(もしくは、生徒)に出会うシーンがあるのですが、その後に起こったこと…三島くんが言われた一言…すごくリアルだなと思いました。
ちょっと切なかったけど、めっちゃおすすめです♡