人生や恋に迷ったときにおすすめの大人女子向けの漫画です。
前へ進みたいと思う「ありか」と浮気されて傷ついた「すみか(ありかの妹)」、そして離婚を決断した二人の母。
それぞれの女性の苦悩や決断、出会いが描かれていて、見ごたえがありました。
それに、心にとめておきたい名言もたくさんあって…
「振った男を見返すという気持ちはパワーになるけど、心は支配されたまま…」
には、目からうろこでした。
では、あらすじと感想を書いていきますね(ネタバレあり)。
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あらすじ
「な~~ありちゃん 男って…敵なん味方なん どっち?」
「さぁ…男の方もそう思ってるよ 多分」
母からの紹介で小さな印刷屋で働くことになった「ありか」。
雰囲気的に新しい出会いは期待できないと思っていた「ありか」でしたが、そこであの日以来会えなかった川谷さんと再会を果たします。
実は川谷さんは、「ありか」の働く印刷会社の取引先だったのです。
その晩、川谷さんと呑みに行くことになった「ありか」は、
「正直、彼氏を見返すためにもっといいところに就職したかった」
と話します。
すると…
「『見返そう』って思った以上にパワーになるもんな――…」
「そう!そうでしょ!?」
「でもそれ原動力にすんのはそこそこでヤメといた方が良いな。そうやってる間に過去の男が心の中でどんどん膨らんで魔物になってく。努力の成果がどれほど出ても心はいつまでもそいつに支配されっぱなしだ」
「あたしはただ…今より成長した自分のこと見せられたらそれで納得いくって…」
「男は女の成長なんかにひとつも興味ないよ。
昔の男だとか世間の目だとかさ…張り合ってるつもりの敵ってだいたい中身は空っぽなんだ。むしろ許せないのは敵じゃなくて そいつに負けた恥ずかしい自分だ 。本人が自分を許せない限り終わんないんだよ」
川谷さんの話を聞いた「ありか」は、自分が実の無い戦いを続けないようにと
近くで見守ってくれている人間がいるのだとしたら、それは川谷さんなのだろう…そう思いました。
「すみか」と同じくらい引きが強いことを神様に感謝する「ありか」。
しかし――
(アレ?アレえ??なんだ なんだよ…)
川谷さんの左手の薬指にはまさかの結婚指輪が。
川谷さんが既婚者だと気付いた「ありか」は用事ができたと川谷さんを残し、居酒屋を後にするのでした。
その後「ありか」は職場に川谷さんが来ても避けるようになります。
しかし、あることをきっかにもう一度会うことに。
「俺 あり香ともう一回ちゃんと会いたかった。で、今から俺本当のこと話すから。俺 結婚してます。最初の夜にホテルに連れてこーとしたのは俺が悪いです。ごめん」
「…何がそんなに…あの夜のことやったら私別に誰にも…」
「違うよ。俺衝撃だったのかもしれない。ひとりの人間がこんなに素直にひとりは嫌だって不安をあらわにしてるのが」
「そ…れディスってます??」
「いや…むしろ逆です…だってみんなひとりなんかじゃないですってカオして生きてるじゃない。アンタを見てると思い出すんだ あー俺ひとりだったよなって。みんなひとりぼっちなんだよなって」
「わからへん…だって自分結婚してるやん…」
「でもどうしたって埋められない不安ってあるんだよ。そーいう時はあり香みたいに純度100パーのひとりぼっちの側にいたいんだ」
「アタシ…じゃあ川谷さんと会う時 ずーっとひとりぼっちじゃないとアカンの?」
「ハハ、そーそぉ」
川谷さんのことはよく知らない…でも現実に今川谷さんの存在に救われていると感じた「ありか」は、
これを機に川谷さんと「男女を越えた友情」を目指すことに――…。
マコちゃんとの出会いは、「ありか」に追い出されたあの日。
実は「すみか」は彼氏である「コウちゃん」に浮気されていたこと…
そして同窓会で再会した「宇野くん」の言葉が忘れられずに東京に来たのです。
行くあてもなく、街をブラブラ歩く「すみか」。
スマホを見つめて宇野くん(宇野くんは東京在住)に電話をしようか迷います。
(それ=女ってだけでちやほやなんかされたくない…のに自分のそれの価値をためしたくなったりして なんか…おんなってフクザツやな)
「はーーッ やっぱやめとこ!」
スマホをしまって、どこか泊まるところを探す「すみか」。
すると、ある人物から声をかけられます。それがマコちゃんでした。
「おねえさん今日新宿のルノアールで男ぶっ飛ばしたっしょ?もー俺あん時シビれちゃって。今夜は俺と飲みません!?」
「今あたしアホな男ともアホな女とも一緒にいたくないの」
「あ じゃー大丈夫だ 俺ってゲイの人だから。俺も前の男にヒドいフラれ方してさ。わかんのよ 男ズバコーンって殴りたいあんたの気持ち」
このマコちゃんとの出会いは「すみか」の運命を大きく変えるもので――…。(引用元:鳥飼茜『おんなのいえ』より)
ネタバレ感想
今回は「ありか」と「すみか」についてのあらすじを書きましたが、二人の母もある決断をします。
実は二人の母は夫が浮気していた女性と暮らすために出て行ったため、15年間も別居中。
決断というのは、想像通り「離婚」なんですが、15年間も離婚できなかった理由がとても重くて印象的でした。
そしてようやく決断できた理由も…。
「失った時間とはどっかで手を切らへんと『変わる』ことはできひんかも知れん」
という台詞は人生の教訓だと思いました。