よくある異世界転生ものですが、転生した先のヒロインの記憶があまりなく「モヤモヤする気持ち」やら「恐いと思う気持ち」を頼りにヒロインとして過ごす主人公。
スカッとするシーンもあって(ざまーみろとも思うことあり笑)キュンとするシーンもあって…めっちゃ面白いです!!
ではあらすじや感想、結末(ネタバレあり)などについて書こうと思います。
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あらすじ
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前世の記憶を取り戻しちゃった!!
トラックにはねられて亡くなってしまった貧乏苦学生「竹本千沙」。転生した先はフェンデル公爵家の長女「セレンスティア・18歳」でした。
自分に甘い父と厳しい兄がいるご令嬢。
どうやら、足を滑らして頭を打ったことで前世の記憶を取り戻したみたいです。
しかし、前世の記憶を取り戻したことにより、セレンスティアのとしての記憶がおぼろげになってしまいます。
ただ、セレンスティアの感情はある…
こうして千沙は、セレンスティアの感情と自分の感情の二つの感情を持ち、セレンスティアとして過ごすことになったのです。
婚約者…?なんでこんなにもモヤモヤするんだろう?
「セレンスティア!!心配したよ!!大丈夫?痛むところはない?」
涙ぐみながら、焦った表情で部屋に入ってきたのは、幼馴染で婚約者のフェアラートでした。
足を滑らせ頭を強く打ってしまったセレンスティアを心配してやってきたのです。
紳士的で穏やかな物腰のフェアラート。どうやらセレンスティアの色恋系は、大変充実していたようね…と千沙は思いましたが…
ん……?なんだか変な感情がこみ上げてきた。胸の奥から湧き上がる、モヤモヤとした感情。これは……なに?
これはセレンスティアとしての感情。なぜこんなにもモヤモヤするのか…その理由は舞踏会で分かるのでした。
なんと、エスコートしてくれるはずのフェラートが婚約者であるセレンスティアを放っておいて、他の女性に挨拶に行ったり…挙句の果てには他の女性を口説いているところを目撃してしまうのです。
なるほど、どうりでフェラートに会ってもセレンスティアの心がときめかないはずね。あんな無類の女好き。セレンスティアはずっと耐えてきたんだわ。
決めた!!フェアラートを私の人生から排除しよう!!
こうして、セレンスティアは婚約解消に向けて行動することにするのでした。
婚約解消するための調査開始!!
婚約解消するためにフェラートの浮気現場を押さえようと考えたセレンティア。侍女連盟長でもある侍女「モニカ」の協力を仰ぎ情報を仕入れることにします。
フェアラートの周辺で一番怪しい人物はリンディ…美しい外見とは違い、勝気な性格で言葉がきつい。そしてなによりセレンスティアを見下しているご令嬢です。
セレンスティアへの冷たい態度からもフェラートとの関係はただの友達ではないのでしょう。
まずはそれをこの目で確認しようと決めたセレンスティアは、リンディも出席するお茶会に自分も行くことにするのでした。
そしてお茶会の日。
セレンスティアに声をかけられて明らかな敵意を向けるリンディ。怯むことなくセレンスティアは近づきますが、逃げられてしまうのでした。
リンディと話をするどころか、近寄ったら逃げられた。有力な情報も掴めないし、何しに来たんだろう…
あーあ…と意気消沈しながら一人で庭園を歩いていると、背後にアルベルトが。
「こんなところで何をやっている」
「あなたこそ、何をやっているのよ」
さっきまで女性たちに囲まれていたアルベルト。よくあの輪から抜け出せたわね。早く戻ればいいのに…と思うセレンスティア。
何故か分からないけど、もともとセレンスティアの心はアルベルトが苦手。さらに先日の別れ際のことを思い出し…セレンスティアはつい表情を険しくしてしまうのでした。
そんなことはお構いなくアルベルトはセレンスティアに話かけます。
「あの男は一緒ではないのか?」
「彼は一緒ではないわ。そうね、きっと彼も忙しいと思うし……」
「そうだな、あいつは忙しいだろうしな」
フェアラートのを小ばかにしたように鼻で笑うアルベルト。フェアラートのことが嫌いなのか、やたら突っかかってくるように感じるわ…そんなことをセレンスティアが思っていると
「そういえば、彼は最近ダニエラ家のバラ園がお気に入りで入り浸っているらしいな」
それはフェアラートの浮気情報でした。なんとフェラートはダニエラ家の未亡人を興味を持ち、毎日通っているというのです(バラを屋敷の参考にしたいという口実で)。
ついに浮気現場の有力な情報をゲット!!
喜びを隠しきれないセレンスティアは、「ありがとう!!」とアルベルトに感謝を述べると…目を見開き、何か言いたげなアルベルトを残してその場を立ち去るのでした。
ついに決着!!修羅場と化すバラ園
アルベルトから有力な情報を手に入れたセレンスティアは、もう一度リンディの元へ向かいます。
そして……
「リンディは、フェラートのことが好きなの?」
「ええ、好きよ!!だから幼馴染だというだけで婚約者という立場にいるあなたが、すごく嫌い!!」
感情を丸出しにして叫ぶリンディ。
フェラートが浮気者だということを知らず(セレンスティアがフェラートを縛っているのだと思っている)、純粋にフェラートのことを信じてるリンディの目を覚ましてあげたい。
そう思ったセレンスティアは…
「最近もダニエラ家のバラ園を二人で見に行こうと約束していたのよ。だから邪魔しないでちょうだいね?三日後にダニエラ家へ行くわ」
もちろんこれはセレンスティアの嘘。
婚約破棄をするため、そしてリンディの目を覚まさせるためについた嘘(リンディは必ず現れると思ってのこと)なのです。アルベルトから聞いたフェラートの浮気情報…ダニエル家の未亡人との浮気現場を押さえようと考えたのです。
そして、セレンスティアの狙い通りこの作戦は大成功。
修羅場となりましたが、フェラートとの婚約を破棄することができてセレンスティアは嬉しく思うのでした。
蘇る記憶――そうか、だから私は…
ようやくフェラートと婚約解消ができて喜ぶセレンスティア。
しかし、父親と兄は婚約解消で落ち込んでいるのではないか…とセレンスティアを心配するのでした。
そんなある日、セレンスティアを心配した(落ち込んでいるのではないだろうか…と)父親は元気になるようにと…城への用事にセレンスティアを連れていきます。
そこで再会してしまったのがなんとアルベルトでした。
なんで、よりによって…!?と思うセレンスティア。そんなセレンスティアにアルベルトは声をかけます。
「……婚約解消したんだな」
「ええ、婚約は解消したわ。けれど『悲しみの涙』ではありませんから、ご心配はなく」(泣いているところを見られたので)
「お前は、あの男を好きだったんじゃないのか?」
思いもよらない言葉を投げかけられて、驚くセレンスティア。アルベルトは、何を聞きたいのだろう…
「幼馴染としてなら、好ましかったわ。結婚となれば、話は別よ」
「…それはお前の本心か」
「今回の婚約解消は、お互いに良かったと思うわ。嘘を言ってどうするの?」
すると、突然アルベルトはフッと口端に笑みを浮かべ…
「言うようになったな、セレンスティア。昔はすぐに泣いたくせに」
「昔……?」
そこでセレンスティアの記憶が蘇ります。
幼い頃にアルベルトから言われたひどい言葉。どんな言葉だったかは思い出せませんが、それによってひどく傷ついた記憶を…。
そうだ、だから私はこの人が苦手だったんだわ…
まさか…縁談の話!?
「お前に縁談の話だ」
「はぁ!?」
婚約解消された令嬢など、もらい手がいないと思っていたセレンスティア。父からの話に「どんな罰ゲームなの!?」と驚きます。
さて問題はその相手。セレンスティアをぜひ妻に。と言ってきた男性――それはまさかのアルベルトだったのです。
「どういうことですか!?」
これはきっと、生意気な私に対する嫌がらせ?宣戦布告か……!!
アルベルトが私を選んだ理由は何?フェアラートとの婚約を解消して晴れて自由の身になったのに、すぐに婚約だなんて、これ以上の嫌がらせはないわよ。
しかし、下の立場から断ることができないのも本当。
だったら…
アルベルトから婚約解消されればいいじゃない!!
こうして、セレンスティアはアルベルトに手紙を書くのですが…
二度目の婚約は仮初で
アルベルトから招待状が届き、城へ上がったセレンスティア。
先日アルベルトに送った皮肉を交えた手紙を爆笑された後、質問をします。
「なぜ私なのですが?」
「愉快な奴だと思ったから」
「は?私と婚約しても、あなたには何のメリットもないと思いますよ」
「俺はまだ身を固める気がない。だが、女は寄ってくる。特定の人物が側にいれば、少しは周りも大人しくなるだろう」
「私じゃなくてもいいのでは?」
「いや、お前なら、俺に対する態度を変えないだろう。他の女を選んだのなら、本気になって面倒だ。それにこの婚約はお前にだってメリットはあるだろう?」
アルベルトの言うことも一理あります。フェアラートの一件があったことにより、男性に希望を持てなくなっていたセレンスティア。アルベルトと婚約している間は、他の男性から求婚されることもないはず…
「…期間は?期間限定なのでしょう?」
「お互い、どちらかに事情ができた時、契約を終了にしよう」
こうして、セレンスティアはアルベルトの仮初の婚約者となるのでした。
惹かれていく心――アルベルトの噂
アルベルトの仮婚約者となったセレンスティア。
しつこくつきまとうフェアラートやご令嬢たちから助けてくれたり…「この婚約を本当にしてもいい」と言われてドキドキしたり。そしてキスをされたり…
意外にも優しいアルベルトにセレンスティアは次第にアルベルトに惹かれていくのでした。
しかし、セレンスティアはある噂を耳にしてしまいます。
アルベルトには身分差のある本命がいる――…と。
身分差があって結ばれることが難しいアルベルトの本命。その瞬間、この婚約が偽りだったことを思い出します。
「どちらかに事情ができたら解消する」という約束…セレンスティアもそれを分かっていて承諾した婚約でしたが、胸が苦しくなるのでした。
婚約破棄再び
幼い頃のアルベルトとの記憶を思い出したセレンスティア。
あんなに仲よしだったのに…フェアラートが婚約者だと話した途端
「お前なんかキライだ!!」
と怒り出したアルベルト。それ以来、彼のことが苦手になり会わないようにしていたのです。
思い出した記憶のせいなのか、アルベルトに本命がいると知ったからなのか…心にぽっかりと穴が開いたような気持ちになってしまったセレンスティア。
このままではいけない!!気分転換をしようと街に出かけます。
しかし…
噂の本命の女性
街へ出かけたセレンスティア。
偶然アルベルトが馬車から降りてくるのを見かけます。
もしかしたらこの街のどこかにいるという本命に会いにきた…?
一緒にいたモニカ(本命の噂を知っている)の願いによりアルベルトを尾行することに。
しかし……真実は残酷なもの。
アルベルトが立ち止まり扉を叩いていたのは……
美しい女性の家だったのです。
アルベルトが手土産のお菓子を差し出すと、彼女は嬉しそうにアルベルトを部屋に招きいれるのでした。
彼女がアルベルトの本命…やっぱりあの噂は本当だったんだ。
必死にフォローをするモニカにセレンスティアは
「もう、いいのよ」
とつぶやくのでした。
もう終わりにしよう
偽の婚約関係なのだから、アルベルトに本命がいようと別に構わないはずだったセレンスティア。しかし、いつのまにかアルベルトのことが好きになっていたことに気付きます。そして…
……もう、この婚約ごっこをやめよう。
自分の気持ちに気付いたからといってアルベルトには本命がいる…これ以上傷つく前にアルベルトとの婚約を破棄しようと決意したのでした。
翌日。
屋敷を訪れたアルベルトが、すっと小さな箱をセレンスティアに差し出します。
「これは?」
「身に着けてくれ」
真剣な眼差しでセレンスティアを見つめるアルベルト。しかし…
「受け取れないわ」
「なぜ?」
なぜって、あなたには本命がいるじゃない。それを渡したい相手は私ではないのでしょう?これを私のためだけに贈ってくれたのなら、どんなに嬉しかったことか…!
「ねぇ、私達いつまでこの状態を続けるの?」
「なんだ急に」
「もうやめない?こんなお芝居。婚約を解消しましょう」
「理由は?」
「それは……とにかくもう十分でしょう?」
すると、アルベルトは意外なことを口にします。
「…あの男とお茶会で、会ったそうだな」
あの男とはフェアラートのこと。お茶会でフェアラートと話したことをアルベルトも知っていたのです。
「婚約を解消したとはいえ、長年一緒にいた幼馴染だ。情でもあるのか?」
しつこいフェアラートにきちんと別れを告げたあの日…アルベルトは何か誤解しているようですが、本命がいる彼にそれを言う必要はないと思ったセレンスティアは…
「あなたには関係ないわ」
と言い放ちます。
セレンスティアに突き放されたアルベルト。拳をグッと握りしめて
「ならば、俺にも考えがある」
と去っていくのでした。
結末1――もう逃げない。
アルベルトの訪問がぱたりと途絶えて数日。
これで本当に良かったのか…と落ち込むセレンスティアに兄が声をかけます。
「会いに来てくれないのなら、自分から行ってみることも、一つの手だぞ」
「でも、彼は……」
自分から拒絶したのに会いに行くなんてこと…
「このまま部屋に籠っていて、事が解決するのなら、いくらでも籠れ。だが、解決しないのなら、時間の無駄だ」
厳しい言葉を投げかける兄。悔しいけど当たっている…。すると兄は…
「ロバートの結婚が決まったそうだ」
兄の友人の一人「ロバート様」。おめでたい話ですが、突然なぜそんな話を…?と思うセレンスティアに兄は続けます。
「正式な発表前に内輪で祝おうという話があり、今日の午後集まりがある。アルベルト様もその集まりに出席されるそうだ。俺も誘われているが用事があるから行けない。代わりにお前が俺の代理として顔を出してきてもいい。」
不器用な兄の優しさ…出席するかどうか悩むセレンスティアは、一冊の絵本からあることを思い出します。
それは、忘れていた幼い頃のアルベルトとの大事な記憶…。
たとえ彼に本命がいても、自分の気持ちに正直にならなければ。傷つく前に自分から逃げた私は臆病ものだわ
セレンスティアはうつむいていた顔をあげて、アルベルトに会いに行くことにするのでした。
結末2――告白
会場に着いたセレンスティアですが、「フェラートとアルベルトの二人を弄んだ」という噂が広まっており、周囲から冷ややかな視線が。
周囲のみんなが敵に見えるけど、ここで怯んではいけない!とアルベルトへ向かって足を進めます。そして…
「アルベルト、この前はごめんなさい。誤解されるような行動だったかもしれないけど、フェアラートとは何にもないの!!」
いきなり叫んだセレンスティアに驚き、目を見開くアルベルト。
「アルベルト!!私はあなたのことが……!!」
周囲から注目されているけど、こうなったら突っ走るのみ!アルベルトに告白しようとした瞬間…!!
「言うな」
なんとアルベルトに口を塞がれてしまったのです。
必死になって告白しようと思った気持ちも、アルベルトには迷惑だったの…?じんわりと涙が浮かぶセレンスティア。しかし…
「その先は俺が言う。セレンスティア。惹かれていたのは俺の方だ。―――ずっと好きだった」
「回りくどいやり方で、お前の婚約者となってからも、気持ちを伝えられずにいた…卑怯な俺を許してくれ」
結末3――噂の本命の彼女
お互いの気持ちを伝えあった二人ですが、セレンスティアにはまだ気がかりなことがありました。
それは、街で見かけた「噂の本命」であろう美しい女性。
実はそれには理由ががあったのです。
「これが俺が通っていた理由だ」
それは見覚えのある小さな箱でした。そうです、セレンスティアが一度突っ返した小さな箱。箱を開けるとそこに入っていたのは指輪でした。
「これは…?」
「お前が言ったのだろう。―――エクレールの指輪が欲しいと」
何気ない会話の中で言ったセレンスティアの一言をアルベルトは覚えていたのです。
しかし、エクレールはすでに現役を引退しているはず。どうして…この指輪が…?
実は、アルベルトは表の世界から引退して隠居生活をしているエクレールの元に通いつめて作ってもらったのです。
その期間は1ヶ月。エクレールを口説き落とすために粘り続けた期間です。
セレンスティアがあの時に見た美しい女性は、エクレールの孫娘でアルベルトの協力者。
こうしてアルベルトとセレンスティアは本物の婚約者となるのでした。
感想
あらすじには書きませんでしたが、セレンスティアの兄がとてもいいキャラで大好きです♡
セレンスティアとアルベルトの想いが通じ合った日の寂しがり方…とてもかわいい笑
漫画がどこまで描かれるかわかりませんが、原作がすごく面白いので漫画も期待して読もうと思います!