虐待をされた子供たちと炎の天使。幸せになりたいと『選んだ』子供たちは、本当に幸せになったのか。
久能整は「それもまた虐待」だと言いました。 今回は、そんなお話です。
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あらすじ
病院で知り合った暗号で話す女性「ライカ」。
ライカの指令で向かった場所には2枚の写真があった。その写真は、落書きをされたどこかの塀。
写真の裏に住所が書かれていることに気付いた久能 整は住所の場所に行っていみることに。
しかし、住所にあった家は火事で焼け落ちてしまっていた。
どうやら、子供だけが助かったようで両親は亡くなったらしい。
「この写真はこの家のだよね。塀の落書きがおなじ…」
ライカから受け取った写真は、同じ落書きがあることから多分この家のもの。
もう一枚の写真の方にも行ってみようと思った久能 整は、そちらに向かうがそこの家も火事で焼け落ちてしまっていた。
先月放火で燃えた家。こちらも子供だけが生き残ったらしい。
そんな中、警察ではあるサイトが問題視されていた。
毒親はもういらないと思う君へ
炎の天使を呼ぼう
このマークを家の壁や塀に描けば
天使に殺しに来てくれる
そのマークは久能 整が見たものと同じもので――…。
久能が出会った赤を見ることができない「カエル」と呼ばれる男性と炎の天使。
幸せになりたい――ただそう願っただけなのに、生きていくことが苦しい子供たち――……。(引用元:田村由美「ミステリと言う勿れ」より)
感想
読んでいるのが辛くなるストーリーでした。
ライカが久能に渡した写真の家は虐待があった家。マークを書いたのは虐待をされていた子供なのですが…
親が亡くなって本当に幸せになったのか…いえ、どの子供もみんな苦しんでいました。
だって、自分で決断したことなのだから。自分が「許可」してしまったのだから。久能は「それもまた虐待」だと言っていました。
子供にトラウマになるような決断をさせて背負わせる…トラウマですね。
実は、「カエル」も同じく苦しんでいたのだと思います。その証拠に赤を見ることができなくなってしまった。
ただ…天使に必要だと思ってほしくて「助けている」のだと「自分も助けてもらった」のだと正当化していただけなのだと思います。
ミステリという勿れはいつも内容が濃いですが、5巻は特に心にズーンとくる内容でした。学校で学んでいたのがこの分野だったからかもしれないけど…。
あ、そうそう…今回の巻にも例の「星座入りのアクセサリー」が出てきました。
1巻の時は何気なく読んでいましたが、最初から伏線があるとは脱帽です。このアクセサリーの理由がわかるときがガロくんとの再会の時ですね。