亡き兄とのもう一つの約束「生まれ変わってもまた、私と結婚してくれますか2巻」ネタバレあらすじ&感想

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次のドラマ化は、間違いなくこの漫画じゃないかと思っています

 

さて、今回は寅之介の兄が登場。

 

おちゃめで優しかった兄…寅之介の誕生日はそんな兄の命日でもあります。

 

主人公は薫と寅之介ですが、二人に関わる人たちの話も本当に温かくて時に涙するいい話ばかり。

 

この漫画を読むと、一日一日を大事に生きたいと思えます。

 

そんな2巻のあらすじと感想です(ネタバレあり)

 

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あらすじ

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「今は病状は落ち着いているように見えますが、正直いつ何が起こってもおかしくない状態です。

 

それはまだ先かもしれないし、明日かもしれない。その時の覚悟だけはしておいて下さい」

 

医者からの宣告に涙が溢れる薫。

 

老いた手にはめられた指輪を見つめながら、亡き義母を思い出すのでした。

 

こんな私を妻にして寅之介さんは幸せだったのだろうか。こんなときあなたならどうされるのでしょう。お義母さん――……

 

それはまだ薫が幼かった頃の話。

 

伊吹造園・庭師「ミサヲ」の不器用な恋愛話を聞き、義母「伊吹龍子」は「自分にも素直じゃないときがあった」と笑い飛ばします。

 

そして幼い薫とミサヲに自分と夫「伊吹壱之介」の出会いについて語るのでした。

 

寅之介の母「龍子」と父「壱之介」――…出会いは街中でした。

 

貧しいがゆえにあらぬ疑いをかけられて追いかけられていた龍子。

 

「まて!この盗っ人!!」

 

「うちはやっとらん!!」

 

逃げ回る龍子。しかし追いかけてきた男が老婆を突き飛ばすのを見て立ち止まります。

 

龍子は倒れた老婆を支えながら…

 

「何しよるの!謝りや!!」

 

「謝るのはお前じゃ!工場から金盗んだコソ泥女が!!恩を仇で返しやがって」

 

胸ぐらを掴まれ今にも殴られそうになる龍子。しかし、そんな龍子を庇う者が。

 

それは、傷だらけのスキンヘッドで強面の男性(伊吹壱之介)でした。

 

その顔をみた工場の男…

 

「ひッ…あの傷…堅気の人間じゃねぇ!!!」

 

慌てて逃げ帰った工場の男にホッとする壱之介。怪我はないかと龍子に手を貸そうとしますが…

 

「あんた何のつもりや 私を警察につき出す気か!?どいつもこいつもバカにしやがって。

 

うちは貧乏やけど、人の物盗むとこまで落ちぶれとらん!!!」

 

壱之介の手を振り払い、立ち去ろうとする龍子。

 

しかし、壱之介はそんな龍子を引きとめてとんでもないことを言い出すのでした。

 

「まっ…まって下さい。バカになんかしていない。あなたはとても綺麗だ。私のっ…私の妻になってはくれませんか!!!」

 

は……?

 

 

予想外すぎる言葉に一瞬龍子は固まりますが、当然返答はノーと答えます。

 

しかし、断ったのにも関わらず、女性一人の帰路は危ないと壱之介がずっとついてくるではありませんか。

 

「ついてくんなや!!!結婚なんかイヤだって断ったやろ!!!」

 

「先ほどのこともありますし、女性を一人で歩かせるわけにはいきませんよ」

 

ずっとついてくる壱之介にイライラが募る龍子。

 

しかしある名案が思い浮かびます。

 

「そんなに私のこと欲しいなら態度で示してや。そうすれば考えてあげんこともないよ」

 

実は龍子は遠回しに貢ぎ物を持って来いという意味で言ったのですが……

 

「……で?情熱の座り込みが始まったわけ?」

 

「ことごとく予想の斜め上をいきおって!あのハゲ達磨!!!」

 

一緒に暮らしている弟に事情を話して愚痴る龍子(龍子は弟と二人暮らし)。

 

そうです、壱之介は龍子が結婚を承諾してくれるまで家のまで座り込みを始めてしまったのです。

 

物好きだな~と言いながら、どんな奴だろうと隙間から覗く弟。

 

すると、弟は「あ…」と目を見開きます。

 

 

その反応に龍子は

 

「は!?あんた知り合いなん!?」

 

「ちっ…知らねェェェし!!!!!」

 

明らかに動揺をした弟でしたが、龍子は深く追求することなく…

 

「…まあ、そもそも初めて会った女にあんなこと言う奴なんて信用できんわ。どうせすぐ諦めるやろ。放っとき」

 

きっとすぐ音を上げる…そう思っていた龍子でしたが、壱之介は食事も摂らず一歩も動くことはありませんでした。

 

そして座り込みが始まって4日目の晩。雨に打たれながら座り込みを続ける壱之介を心配した弟は

 

「姉ちゃん、雨降ってきたよ。中入れてあげようぜ。あいつ死んじゃうよ」

 

「知るか自業自得じゃ」

 

「……俺さ黙ってたけど、あいつのこと知ってるんだ。昔腹が減ってどうしようもなかったとき、人ん家の柿を盗もうとした」

 

「あんたっ…!」

 

「でもあの人は叱ってくれた!!その後、すっげぇ不細工なおにぎりをたくさん食わしてくれた。

 

お礼も言わずに逃げ帰っちゃったけどあんな優しい大人は他にはいねぇよ。

 

一人の女にここまでできる男は他にはいねぇよ!!!!」

 

その言葉を聞き、ようやく外に出る龍子。

 

すると壱之介は

 

「やっと出てきて下さった。まるで天岩戸に隠れた天女様のようですね」

 

とニコリと微笑むのでした。

 

しかし龍子は…

 

 

「…天女様?私の母はな弟を産んですぐに死んだ。酒と博打に溺れた父は私らを捨てた。

 

弟を食わせるために金のためにっ…自分を売ったこともある!私は汚い!!天女様みたいにきれいなもんなわけあるか!!!」

 

と叫ぶのでした。それでも壱之介は…

 

「あなたは綺麗だ。ためらうことなく自分よりも他の誰かを優先できる。私はそんな優しいあなたを美しいとしか思えない」

 

「…そんなに私のこと想ってくれるなら…私を一人にしないって誓えるか」

 

「約束します。私の妻になってほしいです」

 

こうして一緒に暮らすことになった壱之介と龍子でしたが、壱之介は龍子の心の整理がつくまで龍子に指一本触れることはありませんでした。

 

しかし、育ちの良くない龍子が悪く言われればいつも庇い、読み書きも教えてくれたと龍子は語ります。

 

そして、教えてもらった読み書きで初めて手紙を書いたとき、それはそれは喜んでくれて初めて力一杯抱きしめてくれたと。

 

その時、龍子は心に誓ったと言います。

 

「この人を何が何でも守る。全力でこの人支えたる」

 

――何が何でも守る…――

 

あの日の義母の言葉を思い出した薫は、自分にできる全力で寅之介を支えようと心に決めて病室を訪れるのでした。

 

そこには薫をずっと待っていた寅之介の姿があって――…

 

 

(何があってもこの人を支える。最期の最期まで…けれど神様、もう少し時間を下さい。私はまだこの人の傍にいたいのです)

 

4月10日――…あの宣告以来、すぐに泣いてしまう自分に気合を入れ直した薫は笑顔で寅之介の病室へと向かいます。今日は大切な日だから…しっかりしなくては…。そう思いながら戸を開ける薫。

 

しかし、そこには床で倒れている寅之介の姿がありました。

 

驚いた薫は急いで寅之介の元へと駆け寄ります。

 

「寅之介さん!?大丈夫ですか!?一体どうし…」

 

「いい!いいんじゃ。兄ちゃんのとこに行かんと…」

 

「今年は無理ですよ。私が行きますから…ね?ベッドに戻って」

 

「うるさい!!!!行かにゃならんのや!これだけは!!離せ!!」

 

「…戻って。戻りなさい!!!!………お願いよ…」

 

そう4月10日。寅之介がこの世に生まれた大切な日…

 

もう何十年も前から面と向かって「おめでとう」と言えない日になってしまったのです。

 

彼にとって誕生日は兄が死んだ日なのだから――…。

 

 

ネタバレ感想

最後にほんの少しだけ寅之介の兄について書きましたが…この兄の話は泣けます。

 

寅之介の言うとおり、「あちゃー」なところもあるけれど(寅之介に関してだけ変態)、本当の優しさを持つ人でした。

 

そんな優しい人が…特攻隊…。作者さんの話によるともっと詳しいエピソードがいつか描かれるそう。

 

そこで「もう一つの約束」についても分かるかもしれません。

 

さて、あらすじには寅之介の母と父の出会いについて書きましたが、

 

2巻では薫の妹の話や中々子宝に恵まれなかった薫が待望の第一子を出産する話などがあります。

 

その中で今回は薫の妹の話しを。1巻を読んだ方ならご存知だと思いますが、

 

薫の妹「ちづる」はあの祖母を小さくしてもっと常識をなくした感じです。

 

それを聞いたトヨ吉は「とんだ阿修羅少女じゃねぇか」と。

 

薫の祖母はヤバイですもんね笑

 

そんな「ちづる」…薫のことが大好きで心配だったから伊吹造園にやってきたのです。

 

しかし…寅之介やトヨ吉に暴言吐きまくりで薫に「帰りなさい!」と言われる始末。

 

トヨ吉への暴言は本当に酷かったですしね笑

 

それでも最後はやっぱりいい話。特に…

 

「知ってるか?木っていうんはな剪定するにも植え替えるにも、それぞれふさわしい時期っていうのがあるんだ。

 

人間にも成長する大事な時期ってのがある」

 

「…いつですの?」

 

「自分の決めた道を一歩踏み出す時」

 

この「ちづる」とトヨ吉の二人の会話がすごく響きました。(引用元:森永ミク「生まれ変わってもまた、私と結婚してくれますか」より)