究極の状態になった無悪に、勝てないと分かりつつも立ち向かうろくろ。
そんなろくろの前に死んだはずの有馬が現れます!
自らをケガレ堕ちさせて、最期の戦いに挑む有馬…
父と子としての有主とのやり取りに泣けました!
では、あらすじと感想を書いていきますね(ネタバレあり)。
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あらすじ(ネタバレあり)

陰と陽…ふたつの力を持つ究極の状態〝陰陽消滅(アンチェイン)〟になった無悪(さかなし)。
陽の力しか持たない陰陽師には倒すことができないのだが、ろくろは立ち向かうとする。
しかし、そこにろくろを止める者が!
「だぁ~かぁ~らぁ 君が戦うのはまだ早いって言ってるじゃないか」
「パっ…パンツ男!!」
「お父さんっ…!?」
有主とろくろの前に現れたのは、何と死んだはずの有馬だった!
しかし、その姿はもはや屍も同然。
千切れた体と今すぐにでも途切れそうな意識を、無理やり呪力で繋ぎ止めているだけの状態だったのだ。
「執念は受け取っておこう……だが 今の小生を祓えるノは〝共振〟を操る双星かその双星の力を受け継ぐ神子のみダ。
絶滅寸前の その体でこれ以上できることなド何一つとしてナイぞ」
「うるさいね……さっき言った筈だよ?自分の死に場所は自分で決める…それに彼らは星の未来を紡ぐ宝だ――!!この肉体がどうなろうと戦いを止める理由にはならないね…!!」
もう一度、無悪に戦いを挑む有馬…しかしその体はすでに絶命寸前。
さらに今の無悪を倒せるのは双星か神子だけという。
もはや打つ手がないようにも思えたが、有馬にはある秘策があった。
「無悪 君を祓えるのは双星か神子しないと言っていたが 対抗する手段があとひとつだけ残っている筈だ…己れの命を以って可能とする〝禁忌〟が!!!!」
そして有馬はある術を唱え始める。しかし変化した有馬の姿はまさかの―――ケガレ。
そう無悪に対抗できる最後の方法…それは自らをケガレ堕ちさせることだったのだ。
ケガレ堕ちした父の姿に言葉を失う有主と驚愕するろくろ。
そんなろくろに有馬は語りかける。
それはケガレ堕ちが生まれた理由だった。しかし、その話でろくろはあることに気付く。
「それを知ってるなら……何でっっ何でケガレ堕ちを使ったんだっっ!!!!
俺と紅緒が…いないと元の姿にはっ…もう人間には戻れないんだぞっっ!!!?」
「気遣ってくれてありがとう ろくろ君――でもね 僕は無悪によってすでに致命傷を与えられている。人の姿に戻す方法があったとしても戻った瞬間 僕の命はそこで終わる。それにこの姿でなければあの男を祓うことは出来ないんだ」
「……っ!!」
命をかけた最期の戦い。
しかし、圧倒的な無悪の力に有馬は苦戦を強いられる。さらに肉体も限界の状態に。
その時!有馬の耳に有主の声が届く。
「お父さんっっ 頑張ってお父さん!悪いケガレなんてやっつけて下さいっ!!」
あんなのお父さんじゃない…とケガレ堕ちした父を受け入れることが出来なかった有主だったが、亡き母の言葉を思い出したのだ。
その後、有馬は自分の命を以って無悪を倒すことに。
しかし、最期の力を振り絞って有馬が語った『陰陽師とケガレの戦いのからくり』は衝撃のものだった。
陰陽師とケガレの戦いの真実…そして物語を根底から壊そうとする石鏡悠斗の存在――…
全てを知ったろくろは有馬の遺志を継ぎ悠斗の元へと向かう――…(引用元:助野嘉昭「双星の陰陽師」より)
感想
長い間、有主を冷たく突き放してきた有馬でしたがすべては有主のため。
そんな気はしていたけど、有馬の言葉に泣けました。そして初めて有馬の人間らしい部分を見た気がします。
さて、今回は「ケガレが生まれた理由」や「陰陽師とケガレの戦いの真実」が描かれていたわけですが、
天馬がろくろに話した話もこれに繋がるのだなと思いました。(何巻だったかは忘れてしまいましたが)天馬もすべて知っていたようですから。
それにしても悠斗の存在はかなりの特異のよう。
やっていることもイレギュラーのようですが、存在自体がイレギュラー…。
ラストに向けてかなり期待が高まっています。(引用元:助野嘉昭「双星の陰陽師」より)