このコミカライズは何故か2社から出版されています。
両方とも読んでみましたが、ストーリーが面白いこちらを買い揃えることにしました!(絵も好みだったので)
舞台は後宮。
身代金代わりに売られた元薬師「猫猫(マオマオ)」が後宮内の不可解な事件を解していくミステリー漫画です。
ドロドロした後宮内のミステリー。
その設定だけでも見ごたえがあるのですが、何よりも猫猫(マオマオ)の性格が…笑
無愛想で薬にしか興味がなく、何よりも毒を口にして恍惚の表情を浮かべるという異常さ。
こんな猫猫(マオマオ)だから、壬氏さまにも全くなびかないんですね。
猫猫の行動にイケメン壬氏さまが動揺したり、拗ねたりする姿がなんとも可愛らしいです♡
>>試し読み「薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~」はコチラ
ネタバレあらすじ
身代金代わりに美しき女の園「後宮」に売られてしまった猫猫(マオマオ)。
元の生業である「薬師」の仕事ができないことは、はなはだ遺憾でしたが、真面目に仕事(洗濯係り)をこなしていました。
そして、さらわれて三ヶ月…猫猫はある噂を耳にします。
それは…
『皇帝の子の連続不審死――呪い』
すでに3人の御子が立て続けに死亡。
さらに、東宮(皇帝の男子で皇太子)の生母「梨花妃」と公主(皇帝の女子)の生母「玉葉妃」の宮にも頻繁に医者が通っているというのです。
(呪いなんてバカバカしい……暗殺か?いや、それなら皇位継承権のない公主(ひめ)までというのはおかしい。ならば血筋による病?せめて症状が分かれば…)
自分の仕事ではない。それは分かっている猫猫でしたが、呪い…毒…病…薬屋としての好奇心を抑えることができず、噂をしていた者たちに詳しく話しを聞くのでした。
「私も詳しくは知らないんだけど、東宮さまも公主さまもだんだん弱っていったんだって!」
「どういう症状が出たのか、分かる?」
「んー確か……頭痛に腹痛、吐き気もあるとか……?」
頭痛に腹痛、吐き気…思いあたる症状はあるものの、それだけでは判断ができない猫猫は口実を作り宮へ行ってみることにします。
そこで偶然見たものは…
パァァァン
「おやめくださいっ!」
「お前が悪いんだ!自分が娘を産んだからって、男子の吾子を呪い殺す気だろう!」
「そんなわけないと分かっているでしょう?私の小鈴も同じように苦しんでいるのですから。」
玉葉妃に激高し、平手打ちをする梨花妃。
周りはただオロオロするばかりでしたが、猫猫だけは違うところを見ていました。
(足元も覚束ない。きっと関節が痛むせいだ。なによりあの不自然な肌の白さ―――間違いない。連続不審死の原因は呪いなんかじゃない。)
梨花妃の姿を見た猫猫は、この不可解な事件の真相を確信します。
しかし、それを伝える方法がない…
「さて、どうやって知らせるか。何か書つけられるものは………」
ブツブツと呟きながら廊下を歩く猫猫。
すれ違った、噂の壬氏が自分を見ていることにも気付かずに―――。
一ヵ月後。梨花妃の子はそのまま好転することなく亡くなってしまいましたが、玉葉妃の子は無事に元気になります。
その姿は天女の如し、その声は甘露の如しと呼ばれる美しい宦官「壬氏」は、この一件を不思議に思い、玉葉妃の宮を訪ねることに。
「なぜ公主(ひめ)は持ち直されたのでしょう?公主は生後半年、東宮は三月と生まれ月の差はあれど―――」
「これを。」
梨花妃が壬氏に手渡したものは一枚の布でした。
その布には、ある書き付けがあったのです。
「この書き付けは?」
「いつの間にか窓辺に――でもその書き付けに従ったら、良くなったのです。」
「…草を潰した汁で書いたようですね。」
布の切れ端に草の汁…書くものさえ用意できない者が一体――…考えこむ壬氏。そして、ふとあることを思い出すのです。
「―――あ。」
それは、先日すれ違ったブツブツと言いながら歩いていたあの女性(猫猫のこと)。
「玉葉妃、この文の主、見つけたらどうなさいます?」
「それはもう恩人ですもの、お礼をしなくてはね。見つけられるのですか?」
「ええ。」
この布の主必ず見つけなければいけないな――ニヤリと笑いながら壬氏は玉葉妃の宮をあとにするのでした。
一方、猫猫は東宮の死に心を痛めていました。
(……やっぱりスカートの切れ端に書いた文じゃ信用されなかったか。書き付けはどちらにも残したのに……)
そんなふうに考えていると、宮官長に呼び出しをされます。
早速、宮官長の部屋へと向かうと、そこには自分と同じようなそばかすの下女ばかり。
なにごとなのかと考えていると、話始めたのは宮官長ではなく…噂のあの壬氏でした。
「皆ご苦労だった。」
絹糸のような髪、優美な曲線の輪郭。
切れ長の目に柳の眉……なるほど、これが壬氏、皆が天女と讃えるわけだ。
これが壬氏ね、ふーんと思いながら壬氏の話に耳を傾ける猫猫。
すると壬氏はすらすらと紙に何かを書き始めます。
「今日集まってもらったのはこういう訳でね。」 と書いた紙を皆に見せる壬氏。
そこに書かれていたのは…
『そばかすの女 お前は居残りだ』
「!」
紙に書かれていた文字を見てビクッとしてしまった猫猫。
しまった…反応してしまった。
皆に紛れて慌てて戻ろうとしますが、後悔先に立たず。
何故なら…
「――だめじゃないか。君は居残りだよ、ね?」
(は…はめられた―――)
「……猫猫と言ったかな。君は読み書きが出来ないということだったが?」
「はい」
「ほう?ではなぜ居残りと書かれた紙を見て動揺した?」
「〝そばかす女〟ばかり集めた中で、反応した下女は君だけだ。何故なら他の下女は文字を読むことができない」
こいつ…人を追い込んで楽しんでやがる。見た目は天女だがとんだ腹黒だ。しかもこんな手の込んだことをしてあぶり出すとは。暇人だ、暇人すぎる…!
こうして、玉葉妃への文が自分が書いたものだとバレてしまった猫猫は、玉葉妃の宮へと連れて行かれます。
「しかしどうして分かった?病の原因が―――」
呪いとも呼ばれていた連続不審死の原因…それは―――…。
ネタバレ感想
皆が目にするだけでポーッとなってしまう壬氏ですが、そんな壬氏を猫猫だけはとてもなく嫌そうな顔で見ます笑
それを壬氏は
「あんなナメクジを見るような目で見られたのは初めてだ……」
と、しかも嬉しそう。
壬氏はイケメンで切れ者、おまけに腹黒ですが子供っぽいところや可愛いところもあって好きなキャラクターです♡
さて、本編の感想に入りたいと思います。
あらすじにも書いた「連続不審死」の一件により、猫猫は玉葉妃の侍女になり、毒見役の任につくことになります。(壬氏に使える女だと思われたため)
そして、色々な厄介事を壬氏が持ってくるわけですが…中でも梨花妃の話が面白かった。
子供を亡くしてしまった梨花妃のその後の話…病で痩せ細って床から上がることもできなくなってしまった梨花妃。
そんな梨花妃を何とか回復させろという命が下るお話です。
この話で猫猫がますます好きになりました。
何と言うか…男らしい!!!
よそものだと猫猫を虐げて、仕事の邪魔をする梨花妃の侍女たち。猫猫はどうしたものか…と思いながらも大人しくしていました。
しかし、あるものを見つけてしまい猫猫は激昂。
思いっきり、梨花妃の侍女をぶん殴ります笑
まぁ、ぶん殴られても仕方のないことだったのですが…。
あ、猫猫が回復した梨花妃にアドバイスしたことって…多分アレ笑
この時代にもそんな技があったとは♡(引用元:日向夏/倉田三ノ路「薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~)より」
↓試し読みはこちら!